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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 台湾企業の国際戦略 (国際企業戦略/永池克明)

台湾企業の国際戦略 (国際企業戦略/永池克明)

08/08/21

前回は、台湾と九州は似ているけれども
国際化では大きな違いがある。
台湾は一つの地域国家として
世界に目を向けた国家戦略によって経済的な繁栄を遂げたが、
九州はそれとは対照的に国際化を掲げながら、
実態は内向き志向で持っている潜在能力を
十分に発揮していないということをお話しました。
今回はその担い手である台湾企業の国際戦略についてお話します。

■OEMや受託生産によって発展してきた台湾
台湾はいわゆる海外の有名ブランド企業から資材、
あるいは生産を一手に引き受けて、
それを相手先ブランドで生産して、
納入することで発展してきました。
台湾の世界シェアナンバーワン産業をみると、
液晶モニター、半導体の実装、ケーブルのモデム、
ノートパソコン、ワイヤレスLAN、ADSLモデムなど
エレクトロニクス関連ハイテクに多いことがわかります。
その請負先企業を見ると、
例えば、アメリカでいえば、アップル、デル、インテル、
シスコシステムズとかヒューレットパッカード(HP)、
ヨーロッパでは、ノキア、フィリップス、
中国・日本・韓国企業でいえば富士通、東芝、ソニー、
NEC、エプソン、レノボ(聯想)、サムスンなど、
世界のトップブランド企業が台湾に生産を委託したり、
部品・材料、半製品を調達したりしています。
つまり、台湾の企業は海外企業と連携し、
共同作業で発展してきたことが特徴です。

■最近の台湾企業の特徴
初期のころは、委託生産といっても
いわゆるOEMが中心であり、
生産のみを引き受けていました。
しかし、海外ブランド企業との共同作業の過程で
ノウハウを身に付け、様々な工程を
受け持つことが出来るようなりました。
現在では、R&D、デザイン、パッケージング、
物流、アフターサービスなどを世界のブランド企業から
一括受注することによって、付加価値を高めてきました。

最近の特徴としては、賃金コストの上昇に伴い、
中国大陸に生産機能を積極的に移転し、
台湾と中国大陸の間で、効率の良いサプライチェーンを構築して
総コストの削減に努めています。
また、台湾は賃金コストが高くなったことから、
中国への直接投資によって、安いコストで生産を委託し、
自身は研究開発やデザインなどを担当することによって
付加価値を獲得することが、台湾の一つの競争力の秘密です。

政治的には中国と台湾は別の政治体制であり、
地理的にも台湾海峡で遮断されていますが、
経済・産業面では今や極めて密接な関係になってきています。
台湾政府当局は長い間、戦略物資である
ハイテク分野の中国への技術流出を警戒し、
厳しく制限していましたが、近年ハイテク分野でも
中国投資への厳しい規制から徐々に緩和しつつあります。
例えば、半導体、あるいは液晶分野などについても
条件付きで緩和し、特に2000年代になってハイテク投資も進み、
現在台湾の直接投資全体の7割強が中国で占められています。
このことは、お互いに重要な経済相手国ということを意味しています。
また、台湾の競争力の秘密は、
中国への直接投資によって
安いコストで生産を行っていることです。
そして、他の研究開発やデザインといったものを
台湾が担当して、付加価値を獲得しています。

そして、台湾のもう1つの特徴は、
現地、特に中国企業とのコミュニケーションが非常にうまいことです。
同じ中国人ということもあり、台湾だけではなくて、
例えば日本企業が中国大陸に進出する時に、
一緒に手を組んで合弁とか、あるいは様々な形で手を組み、
中国大陸でうまくやっていくというような
一種の戦略的パートナーとしても、
台湾というのは日本にとっても、重要な相手先です。
そういう意味で、日本と中国と台湾の中の域内貿易が、
2000年の1,849億ドルから2007年の4,600億ドルまで急増し、
日中台間の関係が非常に高まってきています。

■東南アジアでも高まる台湾の存在感
ただ最近では、中国一極だけに依存することの
リスクを考え始め、ベトナムやインドにも、
パソコンのエイサーやフォックスコン、
携帯電話機を大量生産する専門メーカー
(EMS,Electronics Manufacturing Service)である
ウィンテックなどが進出し始め、
東南アジアでも存在感を高めています。
例えば、東南アジアでは、台湾のシェアは、
ベトナムで1位、カンボジアで2位、
タイ、マレーシアで3位、フィリピンで4位と、
トップ10の上位を占めています。
東南アジア、ASEANの諸国の中でも、
台湾企業というのは非常に存在感が高いということで、
今後も注目しなければなりません。
日本や九州とっても、台湾は
非常に重要なビジネスパートナーであり、
台湾とうまく手を組んでアジアへ進出することも考えていく必要があります。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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