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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 国連②(国際企業法務/岡田昌治)

国連②(国際企業法務/岡田昌治)

08/08/19

■国連で働くか、NTTに残るか

ニューヨークで1年間、弁護士事務所での研修を受ける合間に、
国連と事務所が近いこともあり、国連(United Nation)に行き、
色々なものを見て来ました。
当時は、ニューヨークと、ワシントンDCで研修を行われていました。
ご存知のように、ワシントンDCにも、IMFやワールドバンクなどがあり、
色々な国際機関を見る機会がありました。

国連については、国連で働いている日本人職員の方々に、
NTTを辞めて国連に行きたいと思うのですが、どう思いますか
というような質問を、20数人にしました。
日本人職員といっても、職員の身分には2種類あります。
もともと国連の採用試験、あるいは何らかの形で直接、
国連に採用されて、国連の職員として入った方々と、
日本の各省庁や企業から外務省経由で2、3年の期間だけ
国連に出向という方々とおられます。
僕がお会いした方々は、プロパー、国連に採用されて
働いている方々(自分が働くとすれば、国連に採用される形になるので)に
色々話を聞きました。
結論から言いますと、
誰一人、NTTを辞めて国連に来た方がいいよ、
という方はいませんでした。


■国連は官僚制度

色々な理由があると思いますが、
皆さんが共通して言われた事は、
夢を持って国連に入って来たら、
3日で失望するという話でした。
現実は、かなり違うものなのです。
実際に話を聞き、また、その後、NTTの仕事で
色々国際機関と絡んだ経験で、その実態を実証できた訳ですが、
国連は日本の官庁、官僚の度合いをはるかに超えた、
超官僚主義の組織だということです。
どういうことかと言いますと、
ちょうど世界第二次大戦後の戦勝国が国連を作り上げてきましたが、
その力関係が未だにそのまま残っているのが国連なのです。
そのような組織ですので、
日本はこれだけのお金を拠出しながらも、
国連の中で地位を築けないのです。

しかも、当時地位を持っている国は、
最近でこそ強くなってきましたが、中国やインドなどで、
戦勝国ということだけで国連内で強い力を持っていました。
例えば、採用や人事の評価等々についても、
彼等は非常に強い力を持っていました。
出世の可能性や採用も、
1988年当時は出身国によって差別されていました。
今は変わっているかもしれませんが。


■給与や待遇の差

他にも理由はありますが、もう1つの大きな理由が、
同じ日本の職員として、外務省経由で来ている方々との、
給与の差や他の処遇も含めてその差があまりにも大きすぎるということです。
外務省経由で来ている人の方が高く、給料は2倍位の差があります。
日本の基本給は、そのままもらいながら
海外勤務手当ももらう形になるので、2倍の差がつくそうです。
大変な仕事だと思いますが、同じ日本人でありながら、
国連に骨を埋めて働いている人達の方が、給料が安いのです。
全ての方ではないですが、
2,3年の期限付きで来ている人達の中には、
2、3年の仕事だからということで、結構手を抜いている人もいる。
その方たちの評価が悪くなると、日本人全体に対しての評価も
下がってしまうということになってしまいます。


■国連に求めること

本当に、国連はビューロクラティック(bureaucratic:官僚的な)です。
色々な国の人がいることで、官僚主義だという話なのですが、
逆にそういう人がいるから、そこのマネジメントの1つのツールとして
役に立つのが官僚主義ということも言える位に、本当に強い官僚主義体制です。
しかし、これから、世界が、
だんだんだんだん小さくなっていく訳ですから、
国連も変わらないといけないと思います。
エネルギーや環境など、世界が一緒に話をして、
解決していかねければいけない問題がこれからも山積されていきます。
その問題の解決の場として、国際機関が
実際に力を持ってくる必要性が出てくる時代に、
これからなってくると思います。
そういう意味では、本当に意味のある議論をしながら、
官僚主義がなくなることを私は願っています。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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