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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 組織の基礎概念(ベンチャー企業/五十嵐伸吾)

組織の基礎概念(ベンチャー企業/五十嵐伸吾)

08/08/07

昨日は、法人が自然人から分離した経緯を話しました。
今日は、なぜ、組織が必要になったかについて考えて行きましょう。


■組織の誕生 ~分業の必要性

人間は、一人で何でもすべてのことをできる訳ではないです。
大きなことをしようとすると、分担作業が必要ですし、
働く人数も増やし、組織にならないといけません。
一人の人間が出来ることには、限界があります。

例えば、有田焼を作ることを考えてみましょう。
まず、一人で土がどこにあるかを探して、それを掘り、
いい粘土かどうかを確かめる必要があります。
更に、粘土を確かめたあと、その粘土を練り上げ、
形を作り、焼き上げなければなりません。
そのためには焼き物を焼く釜も作らなければならないし、
轆轤も作る必要があるかも知れません。
全ての工程を一から一人の人間で行うのは、
非常に効率が悪いです。
この効率の悪さに注目をして、
効率を上げるためには、
それぞれ役割を分担した方が、
上手くできるのではないか
というところから分業が考え出されました。

一人で、最初から最後まで
(一から十まで一つ一つ全部を)行うと、
大変時間がかかります。
焼き物の例では、
粘土を掘る。
窯を作る。
轆轤を作る。
薪を集める。
焼き物を作る
とすべての工程をすべて一人で行うと、
どうしても少量生産しか出来ません。
迅速に大量のものを作る為には、
複数の作り手がいて、
それから役割を決め、
仕事の流れを確認しながら、
バトンタッチしていく方が、
より大きな仕事が効率的にできます。
このようなに、分業の効率性の観点が、
要は「組織」の成立に繋がってきた訳です。


■組織論と国富論

組織論の創始者の一人が
18世紀の著名な経済学者アダム・スミスだと言われています。
彼は、「理想的な経済人は何を行うべきか」を考察し、
「最も優位性を持った一つのものに特化する人間が、理想的な経済人だ」
というか考えに至りました。

しかし、一人の人間が全ての作業を行うと余裕がなくなります。
分業をすることによって考える時間が
捻出可能となります。
時間ができれば、どの個所の効率が悪いか
を考える余裕が出来てきます。
ここから、新しい技術の検討や工程の改良などの
アイデアが浮かぶようになります。
分業を行うことで考える余裕ができ、
より効率的な工程を模索することで生産性が向上し、
あるいは、イノベーションに繋がるアイデアが
考えられるようになります。
このような行為の繰り返しによって、
労働生産性が上昇します。
組織自体の生産性を上げることによって、
その組織(会社)における富が
増大してくる仕組みがより明確なものとなって行きます。

つまり、このような組織、つまり分業体制を持つ会社が
増えれば増える程、そこから多くの工夫が生まれて来ます。
そして、このような工夫を行うことができる会社が
増えれば増える程、国が豊かになります。
ここから、アダム・スミスは「国富論」を導き出してきたのです。


■ベンチャー企業と組織 ~次回の予告

組織の弊害として
「官僚的になる」ことが取りざたされます。
組織が大きくなり大組織になると、官僚的に、
つまり、階層が何層にも重なって
階層の下から上まで情報の伝達が悪く、
まるで伝言ゲームのように正しく、素早く情報が
伝わらないという問題です。
ですので、次回は、どのような組織が良いのか
を考える前提として、「組織論の基礎」についてお話ししたいと思います。

ところで、なぜ、ベンチャー企業で
組織の問題が重要かということなのですが、
急成長するベンチャー企業にあっては、
短期間で組織に関する問題をクリアする必要に迫られます。
ですから、組織に関する問題の所在を十分に認識して、
意識しながら問題に当たる必要があります。

具体的にイメージしてみましょう。
ベンチャー企業は、最初は2人、3人からスタートします。
どうしても本当に自分のビジネスプランを実現しようとすれば、
100人、200人規模に成長させる必要が出て来ます。
ゆっくり成長できる余裕があれば良いのですが、
それでは、大企業のビジネスチャンスを
奪われてしまう危険生があります。
奪われないためには、
大企業と対等に戦える規模まで短期間で
成長することが必然となります。
このため、ベンチャー企業も数年のうちに
数百人規模の組織となる傾向にあります。
(例えば、このBBIQでもお話いただいた
諸藤社長の引き入るSMS(東証マザーズ上場)では、
5年でおおよそ200人位規模となっています)。

企業が成長するためには、
製品開発、ファイナンス等だけではなく、
組織作りがネックとなり、会社の成長の妨げに
なるといったことがよく起こります。
次回は、どういうふうに管理の壁だとか
階層を決めていくかということをお話ししたいと思います。

分野: 五十嵐伸吾准教授 |スピーカー:

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