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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国で起こった外資論争 (中国ビジネス/国吉澄夫)

中国で起こった外資論争 (中国ビジネス/国吉澄夫)

08/08/05

■中国の投資環境変化の背景
近年これまで、中国に対する海外からの投資は
急速に増えてきましたが、国内需要より、
輸出において外資の占める比率が高まると同時に、
キーとなる技術の外資依存などが原因で、
外資政策への中国国内関心が高まってきました。
現在の動きとしては、いかにうまく外資を選別していくかという、
「量より質」を選んでいくかというふうに変わろうとしています。
その1つの流れが、今年1月からの「外資優遇税制の廃止」や
「新労働契約法の施行」など中国の投資環境の大きな変化です。

こうした変化の背景として、
2004年頃に中国で起こりました“外資論争”といわれる
政府や経済関係者を巻き込んだ論争を理解しておくことは、
中国経済と産業の現在をより一層理解するために必要なので、
今日は“外資論争”発端とその発展についてお話しします。

■2004年の「外資利用の回顧と反省」
発端は2004年3月に中国社会科学院世界経済研究所が主催した、
「中国の外資利用の回顧と反省」という座談会と言われています。
ここで特に結論が出た訳ではありませんが、
中国の経済は経済成長により既に十分に資金が豊富であり、
資金調達の為に外資を導入する従来の政策には修正が必要では、
とか、外資企業の進出により中国国有企業が後退してしまった、
民営企業がもっと進出できるように政策変更すべきではないかとか、
あるいは外資にも、「良い外資」と「悪い外資」がある、
とか様々な議論が出たようです。
その後、政府関係部門に大きく論争として広がり、
外資に対する不公平優遇税制をなくし、
外資依存経済から脱却すべきとする「民族派」と、
まだまだ対外経済開放により、外資の資金や経営手法を導入して
改革を継続すべきとする「国際派」との意見対立の図式が出来てきました。
この論争の結論は、
2004年12月に行われた中央経済工作会議で
「対外開放の継続と外資利用の質の向上」という結論でした。
形の上では「国際派」が勝ったような形ですが、
「民族派」の人が取り上げた様々な懸念が、
色んな所で取り入れられています。
その後、2006年の中国の第11次5カ年計画に、
「外資の利用の量から質への転換」とか、
「経済成長方式の転換」とか「自主創新」ということが述べられています。

■結論は「改革開放継続」「外資利用、量から質へ」
中国では同時並行的に「改革を巡る論争」という、
どうしたら本当の中国の改革が行われるか
といった大きな議論が進んでいました。
そういう意味で、この外資論争は
中国が「調和社会」を作っていくためにはどうすべきか、
格差のない社会をどう作るか
という方向に向かっていくきっかけになっています。
そして、中国の発展にとって役に立つ外資を積極的に導入し、
そうでない外資はストップさせるというような、
そういう方向が政策的に導入されてきました。
こうした流れを日本企業は読み取らなければいけないのですが、
当時その流れは大変読み取りにくいものでした。
というのは、この論争は中国内部の論争なので
外部には表れて来ませんでしたので当初わかりませんでした。
やっとわかってきたのは、2004年11月、12月頃で、
その後日本企業の中でも、そうした論争を踏まえた
現地の事業体制を作るにはどうしたらいいか
という議論が行われました。
いかにして進出先国の大きな社会発展に貢献するか、
という視点を外資をきちんと持たないと事業は長続きしません。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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