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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 四川大地震と中国電子産業 (中国ビジネス/国吉澄夫)

四川大地震と中国電子産業 (中国ビジネス/国吉澄夫)

08/08/04

これまでアジア、中国の
家電や電子産業の話をしてきましたが、
今回は5月の四川大地震で
中国の電子産業にどのような影響があったかについてお話します。

■四川・長虹の地震被災
今年の5月12日に四川省で発生した
マグニチュード8の大地震は多くの家屋倒壊させ、
何万人もの死者が出す大惨事になったことは、
皆さんご承知の通りです。
そうした中で、地震発生当初から、
私が気にしていたのは、
テレビで何度も出てきている四川省第二の都市・綿陽市を
本拠地にしている中国最大のテレビメーカーで、
長虹(チャンホン)の動向でした。

私は1995年に初めて長虹を訪問して以来、
10年以上ずっとお付き合いをしており、
綿陽(メンヨー)の本社工場にも何度も足を運んでいました。
地震による工場への影響が気がかりでしたので、
地震後すぐに、長虹に詳しい上海の知人に連絡を入れ
従業員や工場は大丈夫か聞きましたが、
その段階では「生産ラインは止まっていたが、
亡くなった人はいない。
しかし、避難生活を余儀なくされ、
非常に大変だ」というものでした。
後の新聞報道で、会社全体で1人亡くなり、
20数人が怪我をしたと報じられていました。

■プラズマ生産ラインへの影響
私が心配していたのは、
勿論昔お付き合いしました幹部の皆さんの安否もさることながら、
長虹が社運をかけて建設進行中の1000億円のビッグプロジェクト、
中国最初の「プラズマディスプレイ生産ライン」が、
地震によって致命的な影響受けたのではないかということでした。

中国の電子関連専門誌新聞に、
記者が綿陽市の長虹本社工場を訪問した記事が載っていました。
それによると、「工場の建屋には、明らかに損壊が見られる。
それから外から問題ない所でも、
内側に入ったら壁に亀裂が入り、階段にゆがみが発生していた。
変電所の設備に損傷があり、本来は修復が必要だが、
今止めてしまうと生産活動や従業員の生活にも影響が出てくるので、
もう無理矢理稼働している。」と述べられています。
また、肝心のプラズマ生産ラインについても、
地震発生当初は精密機械なので
精度に色々ズレが出るなど
深刻な問題が発生しているとのが報道ありました。

それが地震3日目の5月15日には、
「生産回復できる部門は回復し、
足りないところは部分的に外注や、
OEM等の方法を使って」ラインの復旧に努め、
16日には薄型テレビの3本のラインと
ブラウン管テレビの2本のラインが、
生産再開したとのことでした。
肝心のプラズマ生産ラインですが、
5月22日には再開したそうです。
つまり懸命の復旧作業により、
10日間で全ラインが復旧したと述べられていました。

■長虹、今年の経営目標を変えない
そうした中、長虹は地震による自工場の復旧活動と同時に、
地震被災地に対する救援活動も積極的に行ってきました。
地震発生後すぐに、600人からなる救援隊を組織して、
50台位の車両で最も被害の大きかった地域の1つである
北川県という町に行って、倒壊家屋から20人を救出したり、
あるいはその被災者を輸送したり、
義援金や義援物資を提供し、
地域最大の企業として
積極的な社会貢献活動にも取り組んできたようです。
こうした生産復旧活動と
社会貢献活動の成功の自信からか、
長虹トップの趙勇会長が、
6月に入って2008年売り上げ目標、3,000億元(約4,500億円)の
経営目標は変えないと記者発表しました。
最近の中国のカラーテレビの市場では、
オリンピックを目前に控え、
32インチのプラズマテレビが非常に良く売れています。
今年7月から本格稼働に入った
長虹のプラズマ生産の主力製品は32インチであり、
長虹にとっては災害を乗り越えて、
一層ビジネスを拡大していく好機かと思われます。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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