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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 地方分権改革 (財務戦略/村藤 功)

地方分権改革 (財務戦略/村藤 功)

08/08/01

■地方分権改革の現状

今日は、地方分権改革というテーマですが、
この言葉もずっと言われていながら、
なかなか進んでいないように感じます。
改革のスケジュールというのは、
今どのように組み立てられているのでしょうか。

現在、伊藤忠商事の丹羽会長が委員長をしている
地方分権改革推進委員会というのがあります。
ここでは、第一次勧告から始まり、
全部で第三次まで予定されています。
まず、第一次勧告として、
地方自治体に立法権や行政権、
財政権を持つ完全自治体を目指していただきましょう、
というような話が出てきました。
そもそも自治体が、自分で自分のことを
全てやっているのかどうかということなのです。


■日本の中央集権の歴史

廃藩置県をご存知でしょうか。廃藩置県は、
有名ですが、藩をやめて県を置いたことです。
明治の初めのことですね。
これは地方分権ではなく、中央集権のための制度です。

藩というのは何でもすることが出来ました。
藩は自分勝手なお殿様が、好き勝手にやっていた訳です。
ところが、県というのは、中央政府が
地方を支配するために作った制度です。
藩のままだと、欧米列強に対抗できないということで、
明治の初めに藩はやめて県にして、
中央が地方を支配しやすいようにしようとしたのが
廃藩置県です。

日本では明治以降ずっと中央集権制になっています。
中央集権制を可能にするため、
中央が思い通りにやりやすいように県を作ったのです。
それが今も残っています。
ところが、現状を考えてみると、高齢化だとか、
人口が減少するとか、地域がなんとかしないと、
もう将来の日本はないというような話になってきました。
そこで、中央集権をやめて地方分権にすべきだ
という流れになりました。
それならば、中央集権のためにわざわざ作った県だけど、
また地方自治権をあげたらどうなのか、
という話になってきています。


■機関委任事務から法定受託事務へ

機関委任事務や法定受託事務という言葉をご存知でしょうか。
機関委任事務とは、中央から地方自治体が
委任されたものであり、国の指揮命令を受けて
自治体が行う国の事務のことです。
結局は国がやれと言っているのだから、
地方議会は関与してはいけません、ということでした。
それから、都道府県知事が中央の意向に反抗したら、
内閣総理大臣が知事を罷免できる、
というような法律まであったくらいです。
機関委任事務とは、これほど中央集権的な代物だったわけです。

しかし、機関委任事務のままでは
地方分権なんてありえないわけです。
そこで、法定受託事務といって、中央と地方自治体が、
お互い対等な関係で、すみませんがこれを委託しますので、
受託してくださいね、というものを作りました。
やれと命令していたことが、すみませんけど、
この部分やってくれないかなというお願いに変わったというのが、
1999年です。今2008年なので9年くらい前に起こった話です。


■第二次、第三次勧告

先程お話したように、地方自治体が全て自分でやれ
という話が第一次勧告です。
しかし、これから問題になるのは、第二次勧告の話です。
第二次勧告とは、現在ある地方整備局など、
国の出先機関の廃止縮小問題のことです。
全部合わせると、33万人くらいの国家公務員がいる内、
3分の2くらいがこの地方出先機関にいます。
それでは、この地方の出先機関は、
将来道州制を作ったら一体どうなってしまうのかということです。
廃止、縮小か道州に移管するか、
どれかを選択するというような話です。

民間の人達の間では、折角道州制を作るのだから、
地方に今置いた出先機関を、
道州の中にそのまま置けばいいだろう
という意見が強くなっています。
ところが、国家公務員の3分の2を失う可能性のある省庁としては、
ちょっと待ってくれと。
地方にいると言ってもあくまで国家公務員なのだから、
そんな簡単に道州に彼らを移すというようなことを言われても困ると。
人だけでなく権限や予算を失う省庁からは
このような反発が当然起こりますから、
出先機関問題は紛糾しています。

第二次勧告は、
今年の秋ぐらいまでにまとめようとしています。
しかし、まとめようとはしているのですが、
省庁はそれに対してゼロ回答で嫌だ、
嫌だと言って抵抗を続けています。
地方分権改革推進委員会の方としては、
一生懸命に、
もう全部地方に移してしまおうと考えています。
出先機関なのだから、出先の道州に統合だ、
と考えているようです。
簡単にはまとまりそうにありません。

その次の第三次勧告は、
来年の春くらいに予定されています。
これは税源移譲が主な問題です。
結局お金を中央が握っていると、
地方が思っていることができない。
それならば、もう、お金を中央から
地方に移そうという話です。
そういう順番でいろいろな改革が起こってきて、
来年秋口くらいには、分権委員会の勧告を受けて、
地方分権推進計画を閣議決定して、
分権一括法案を提出しようかという構想に、
今のところなっている状況です。


■道州制の議論

先ほど話しに出た道州制ですが、
やっぱり福岡、九州の人は、
特に気になっている人が多いと思います。
九州は割と分かり易いくくりなものですから。
島一つなので、みんな結構その気になっています。
九経連の鎌田会長が、
道州制の九州モデル策定に一生懸命やっておられます。
それから、九州の場合、これも議長を鎌田会長がされている、
九州地域戦略会議というのがあります。
その中で道州制検討委員会というものがあり、
この委員長をQBSの第一期ディーンの
矢田先生がされています。
今、北九州市立大学の学長で、
QBSに続いて北九州市立大学のビジネススクールを
作った人です。

道州制導入の時期としては、
まだまだ先かと思っていたのですが、
2、3年前に10年先と言っていた話が、
今はもう2015年導入くらいが
目途と変わってきています。
もう、7、8年先のことになっていて、
結構近づいてしまっています。
今はその道州制の前に、
基礎自治体を導入しようかという話になっています。
道州制というのは、国に10個くらいの広域自治体を作ろうか、
という話なのですが、基礎自治体というのは、
市町村をくっつけて、もっと住民に近い、
30万人くらいの人口の自治体を作ろうという話です。

1億人を30万で割ると、
大体300くらいの基礎自治体ができます。
そうすると、1道州当り30位の基礎自治体を
持つことになります。
30万人というと、今の九州では、久留米くらいです。
あまりに小さい自治体で
人口が1万人から3万人くらいのところは、
下水道の設備投資などが不可能になってきていて、
色々な行政サービスが破綻してきています。
そこで30万人位の住民の生活に密着した、
社会福祉サービスを提供する基礎自治体を作って、
基礎自治体が成立したことを
前提に広域インフラを担当する
道州制を導入しようという構想です。
そしてその導入は2015年度辺りが目途ということです。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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