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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 消費者庁 (財務戦略/村藤功)

消費者庁 (財務戦略/村藤功)

08/07/25


■消費者庁の創設

昨年は食の安全が揺らいで、
そういう中で消費者は色々なことで
非常に不安になりました。
食品に限らず、インチキな
構造計算のようなものもありました。
そのような現状で、福田総理は肝いりで
消費者庁を作ろうと言っています。

今までも消費者関係の法律が沢山ありましたが、
法律を所管する省庁が沢山あったので、
消費者はどこに相談していいのか
そもそもよく分からなかったわけです。
そこで窓口を1本化してくれないか
という要望がでました。
消費者の苦情や相談に
素早く対応しようということにしたわけです。

この話は結構進んできている状況で、
どの法律を消費者庁にやらせるかとかいうことが
大体決まってきました。
ただ、省庁が皆喜んで
今まで持っていた権限を移すかというと、
そうは行きません。
移すとなると権限だけでなく、
その法律を担当していた人や予算など
全部を移すということになりますので、
省庁としては結構抵抗しています。

今回は消費者庁を内閣府の中に作ろうという話なので、
内閣府が元々所管していたものは
完全に移管するという形になっても文句は出ません。
しかし他の省庁が担当していたものは、
一部移管や共同管轄の形が多くなりました。
ここでも省庁の抵抗が見えます。

■消費者庁設置後の新法

消費者庁は、今はありませんから、
まず設置することになります。
この秋に、消費者庁設置法案を通して、
来年度に消費者庁を創設しようということを
目指している訳ですけれども、
設置した後にも色々やらなければならないことがあります。
例えば、これまでは、食品表示の問題で
JAS法という農水省が管轄する法律や、
あるいは食品衛生法という
厚生労働省が管轄する法律があった訳ですけども、
これは食品表示法というのを作って、
食品の表示と安全を守る、
共通ルールを作ろうかという話になってきています。

他にも消費者に対応するものは、
何でも消費者庁の管轄に入れようということで、
新たな法案を作る構想があります。
例えば、消費者金融と
販売クレジットを利用する人達の共通の保護ルールとして
消費者信用法というのを作ろうかという話になっています。
消費者がお金を借りる場合、
何に使うかわからないサラ金と、
何かを買う時にショッピングクレジットとして
借りる販売金融という2種類がありました。
しかし、それぞれに管轄する法律や罰則が違っていたり、
あるいは信用情報が別のデータベースに入っていて、
お互い見られないというようなことがあったので、
罰則を統一したり、信用情報を共通して見られるようにしよう
という話が今進んでいます。

食品、金融のほかに、
住宅関係で住宅品質確保法というものがあります。
構造計算がインチキだったということが発覚してから、
住宅を建てようとしても、構造許可のOKが
なかなか出なくなってしまったということで、
一時、住宅やマンションの建設が出来なくなりました。
これまでは、この住宅品質を確保するための
住宅性能表示基準の企画立案は
国土交通省がやっていた訳です。
今回、消費者庁が出来ますが、
これは共同管轄ということになりました。
国土交通省がこの問題から外れる訳ではないのですが、
何か危ない家があったら、消費者庁が
調査して勧告する形になりました。
住宅に問題があり、勧告すると国土交通省が
対応するという仕組みで、
消費者庁が消費者を守るというような形です。

このように消費者庁単独ではない、
共同管轄の法律も結構あります。
今までどこかの省庁が持っていたものを
完全に移管しようというのは難しいです。
消費者庁に完全に移管する法律が
内閣府所管のものを中心に14個ある一方で、
9つの法律は、一部だけ移管することになり、
7つの法律は共同管轄することになったのはそのためです。

■消費者庁と消費者の今後

住民にとって一体どういうことになるのか
ということなのですが、今は消費生活センターと
国民生活センターというのがあることをご存知でしょうか。
消費生活センターというのは都道府県が持っているもので、
国民生活センターというのは、
内閣府が持っている独立行政法人です。
今回作る消費者庁は、
国民が消費生活センターや国民生活センターを
窓口として要望を伝え、そこで上がってきたものを、
消費者庁が一元的に対応して、
もし必要であれば他の省庁に色々言いながら、
迅速にやっていこうというような話です。
消費者や地方自治体の意見を、
できるだけ早く吸い上げて
政策に反映していこうということだと思います。

民主党や野党が、
すんなり合意してくれないという状況もありそうですけれども、
基本的には民主党も消費者に早く対応するのは
嫌という訳ではないですから。
今のところは2009年度の創設ということになりそうです。
この法案については、
今のところそんなに問題がありそうには見えません。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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