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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国の半導体産業の動向 (中国ビジネス/国吉澄夫)

中国の半導体産業の動向 (中国ビジネス/国吉澄夫)

08/07/22

今日は、中国の半導体産業の動向についてのお話です。

■中国-世界の半導体市場の30%を占める大市場
前回はカラーテレビのデジタル化の話をしましたが、
このデジタル産業を支えているのは
「産業の米」と称されるIC、半導体です。
近年世界中のエレクトロニクスの企業が、
中国に生産拠点を構えているということもあり、
中国のIC、半導体の市場では年率で18%の成長を示しています。
2007年の統計をみますと、
世界の半導体需要の30%が、中国に集中しています。
私自身、1980年代後半から10年ほど
中国で半導体の販売に携わったことがありますが、
当時の中国市場はマーケットが小さく、販売が伸びず、
大変苦労したおぼえがあります。
それを思うと、隔世の感があります。

しかし、その中国市場において、売上げトップの企業は、ほとんどが外国企業です。
パソコンに使うCPUを製造しているインテル、それからサムソンがその例です。
日本企業では東芝が上位で食い込んでいます。
しかし、そういう企業の多くは、中国国内ではなく
中国国外で部品を製造しています。
つまり、輸入品が80%占める市場構造になっているわけです。

■経緯-構造的弱さと政策指導、挫折
中国は半導体産業を重点産業に指定しています。
例えば、国有企業の華晶電子を重点工場に指定して、
投資を集中していました。
ですが、かつて存在したココム(COCOM)という
対共産圏輸出規制のために、先進国の技術導入はうまく進みませんでした。
従って、半導体産業は他の産業と比べても、
大幅に発展が遅れてきたという経緯がみてとれます。
しかし、昨今この規制は、大幅に緩和されています。
これにより、1990年代後半以降、様々なプロジェクトが進められてきました。
加えて、海外からの投資の奨励により、
受託生産システムによる進出が大きく増加しています。
例えば大規模なメモリー生産ラインが
韓国のハイニックス社により完成しましたし、
インテルは大連で巨大なCPUの生産ラインの着工を発表しました。
現在、半導体の前工程の生産ラインの中国国内での建造が活発化しています。

まだその過程で、
2004年にモトローラが天津に半導体の工場を持ったのですが、
今や中国を代表する半導体メーカーである
上海中芯国際(SMIC)に買収された経緯があります。
「中国脅威」に怯える米国半導体業界が、
当時の中国政府の半導体産業育成政策
(国内で生産を行った企業に対して増値税という税を還付する)政策に反発し、
WTOの「内国民待遇」に違反するとして提訴した事件がありました。
これは中国が、2001年にWTOに加盟して以降
初めての提訴事件と言われています。
この結果、この政策を中国政府は打ち切らざるを得ず、
政策遂行の面で大きな挫折も経験しました。
いずれにせよ、
生産拠点を増さないと中国の半導体自給率は上がりません。
政府は新規の優遇策を発表しています。
その中には、生産ラインだけでなく、設計開発に関わるものも含まれています。

■今後の展望
現在、日本メーカーでは
東芝が中国の半導体販売でトップグループに入っています。
また、製造に目を向けると、
NECが首鋼鉄鋼と合弁で作った「首鋼NEC」や、
同じくNECが上海のホワホン(上海華虹)集団と作った「華虹NEC」があります。
ただし、日本企業は、前工程の投資については、
日本に集中しており、中国で製造をしているというわけではありません。
しかし、組み立ての工場や、販売拠点を中国に設けていますので、
決して日本のメーカーが中国市場に力を入れていないということではありません。
加えて、日本の強さは半導体完成品だけでなく、
製造設備や材料にもあります。
今後は、ここにある大きなビジネスチャンスを
生かす方向に向かうのではないかと思います。
ですので、中国市場における半導体は、
今後注目すべき分野であると私は考えます。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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