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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 公務員制度改革 (財務戦略/村藤功)

公務員制度改革 (財務戦略/村藤功)

08/07/18

■公務員制度改革基本法
今日は、公務員制度改革基本法というテーマです。
これまでも、渡辺行革大臣が
一生懸命改革に取り組んでいますが、
なかなか進まないということをお話したと思います。
しかし今回、公務員制度改革基本法が
成立したということで、渡辺喜美大臣が
涙を流して喜んでいた様子が
テレビでも放送されました。

渡辺大臣は真面目に改革しようとしています。
しかし改革しようとすると、
各省庁や肝心の福田総理をサポートしている
町村官房長官のような人達にいじめられていました。
政府与党の一員であるにも関わらず、
渡辺 喜美が格好付けのために、
何か勝手な事をしようとしているのではないか
という事で自民党の内部からもいじめられていたわけです。
しかし6月に念願の公務員改革基本法がついに成立しました。
当初、民主党は反対すると思われていましたが、
反対しているのはどうやら公務員だけということが
分かったので、この案に民主党も乗ってきました。
公務員改革基本法は改革の方向性や
時期を定めたプログラム法で、
公務員改革をやっていこうという基本法ですが、
今回それが成立しました。
ですから渡辺大臣は本心から涙を流して
喜んだということだと思います。

形としては、民主党が公務員改革基本法の
修正案を出してそれを政府がそのまま受け入れた、
というようことになった訳です。
民主党は基本的に自民党が出すもの全部反対、
という立場なのですが、ある意味で、
自民党の本流の人々からいじめられていた
渡辺大臣が作った法案だということで、
乗ったのかもしれませんね。

■渡辺大臣案と民主党修正案
法案の内容をちょっと詳しく見ていきましょう。
渡辺喜美大臣というのはかなり過激派です。
お父さんの代から過激派なのですが、
それよりも更に過激派と言っていいほどです。
ですから法案の中に改革的なことを相当入れていました。
ところが、最終的に成立したのは民主党案でした。
その過程で渡辺大臣の案のいくつかを
民主党が潰してしまいました。

例えば、人事庁というのを作ると渡辺大臣は言っていました。
しかし、民主党は人事庁を作らなくても、
内閣人事局という機関を設ける程度でいいのでは、
と提案したので省庁の人事改革については
少し小ぶりになりました。
これが1つ目です。
それから、国会議員と官僚は、接触を禁止する、
あるいは接触を制限するというような事を
盛り込んでいたのですが、
実は民主党にとっても、
公務員と接触しないと行政の実態は
なかなか分からないので、
接触制限されたくなかったわけです。
それで、政治家と官僚の接触制限規制を
削除してしまいました。
結局、官僚と政治家の接触を禁止するという
今回の改革の1つは、完全に無くなってしまいました。

一方で、有識者懇談会が、
労働基本権、つまり労働三権の1つである
団体協約締結権というのを拡大しようと提案しました。
そこで非現業職員などにも団体協約締結権を与えよう
と言っていたのですが、政府はこの導入を先送りしようとしました。
対して民主党は完全には消さないで
3年以内に適用拡大しようという案を出しました。
結果、色々な修正があったのですが、
とりあえずは民主党案で合意しました。
しかし、今後どうなるか分からないようなものも、結構あります。

■人事制度改革と改革に残る不安
例えば、キャリア制度の廃止です。
国家公務員にはキャリアとノンキャリアという区別があります。
最初にキャリアで入ると、あっという間に出世するわけです。
ところがノンキャリアだと
いくら頑張っても出世できないというのが、
1つの問題点として考えられていました。

今回、国家公務員の1種試験とか
2種試験というものを廃止して、総合職、
一般職、専門職試験に変更することにしました。
1種試験というのはキャリアで入る人たちのことです。
1種試験がなくなるので、キャリア制度は
廃止となったと言っているのですが、
それでも総合職というのは残りました。
ひょっとすると、キャリア制度は
1種試験から総合職という
看板の付け替えだけに終わる可能性がない訳でもないです。
政府案では最初、人事庁が総合職を全部一括採用する
と言っていたのですが、これも民主党が、
試験を受ける人たちは自分の希望する省庁に入りたいのでは、
ということを言って、各省庁が個別に採用する今の方式を
そのまま残すことになりました。
しかしこの結果、縦割り意識のような弊害が残ると思います。

また、これまでは採用する省庁が、
省庁毎に職員は自分のファミリーだということで、
人事も全て自分で決めていました。
これに対し、今後は部長以上の幹部の候補者名簿の作成を、
内閣の人事局でやる。
つまり内閣人事局を所管する官房長官が
やるということに決まりました。
今までは、この仕事を各省庁の大臣官房の官房長が
やっていました。これは、この改革法で随分変わることになります。
ただ、各省庁の人事担当者が、
内閣府の人事局に出向して名簿を作るとなると、
同じ事になってしまいます。
結局これも実質的に変わるかどうか
分からない状況です。どうもこの辺りは不完全な感じがしてなりません。
官僚達が色んな形で自分たちの都合のいいように出来るよう
手を加えている感じがします。

■国家公務員の天下り改革
さて国民も大きな関心がある、
天下りというのはどうなるのでしょうか。
天下りは、これは今回の改革基本法とは
また少し別のお話なのですが、
昨年、国家公務員法が改正された時に
官民人材交流センターというものを作ることになりました。
内閣府に再就職等監視委員会というのを設置して、
官民人材交流センターという新しい枠組みの元で、
昔の天下りのような事が起こらないように
監視しようという話でした。

ところが、委員会の人事提案に対して、
民主党は委員長、委員5人の人事に
全員不同意を決定したため、
予定通り発足出来ないというような、
何か日銀総裁の問題で起こったような
話になってきてしまいました。
結局、天下りに関しても、
これから無くしていこうと色々な制度改正をしているのですが、
そうなるかどうかは、よく分からないという状況です。
公務員制度改革、まだ道半ばという感じでしょうか。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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