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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本の規制改革 (財務戦略/村藤功)

日本の規制改革 (財務戦略/村藤功)

08/06/20

■規制改革の現状
本日は規制改革についてのお話です。
これまでずっと小泉総理・安倍総理時代と
規制緩和を言ってきたのですが、
福田総理になってからは少し動きが鈍いというか、
あまり進んでいません。小泉総理や安倍総理時代に
始めた改革を色々な委員会にやらせていたのですが、
任された委員会の人達が様々な提言を作り、
福田総理や町村官房長官によろしくお願いしますと頼んでみると、
何故かOKと言ってくれなかったり、受け流されてしまったりと、
何だか改革がなかなか進まなくなってしまったのです。


■規制改革会議
安倍総理が総理の諮問機関として
規制改革会議というのを作りました。
日本郵政の草刈会長がトップを務める会議です。
そこでは様々な答申をまとめています。
また政府自体も全閣僚から構成する
規制改革推進本部というようなものを作っていて、
規制改革に取り組んでいることになっています。
ところが、答申について官僚が何か言うと改革が
なかなか進まないという状況になってしまっています。


■厚生労働省の改革1 混合診療問題
その改革の一つが厚生労働省の改革で、
以前にもお話した混合診療の問題です。
厚生労働省では混合診療や保育問題が、
特に進んでいません。混合診療に関しては、
先日少しお話しましたが、混合診療を禁止する
法的根拠はないという判例が出ました。
自由診療と保険診療を混ぜて行っている場合でも、
保険診療は保険診療なのだから保険診療については
保険が給付されると裁判所は言いました。
しかし、裁判所の判例にも関わらず、
厚生労働省はそんなことは知らない、
混合診療は認めないとまだ言い続けています。


規制改革会議や経済同友会など、
色々な人達が混合診療を解禁しようと動いていますが、
厚生労働省は全然動かないという状況になっています。


この混合診療というのは、
保険診療と保険外診療を一緒にやってもいいじゃないか、ということです。
今まで保険診療だけ受けていた人が
治療途中に自由診療を少しでもやると、
保険診療部分について健康保険からお金を貰えていた人が、
突然、保険診療部分についても保険を貰えなくなるという問題です。
この問題について厚生労働省は、混合診療を認めることは
自由診療が推進されるので金持ち優遇になり
医療の安全性が脅かされる、というようなことを言っています。
しかし、混合診療を本当に認めて欲しいのは、
貧しい人たちなのです。ですから、
何か話がねじ曲げられて伝えられているような気がします。
現在、厚生労働省は混合診療を認めたくない、の一点張りで
ほとんど問題は進んでない状況ですね。
福田内閣と町村官房長官が、厚生労働省の言うことを聞きながら、
問題を潰しにかかっているというように見えますね。


■厚生労働省の改革2 児童保育問題
児童育には保育園と幼稚園があります。
保育園とは社会福祉の分野です。
貧しい人や、母子家庭など、社会福祉が必要な人だけ
保育園に入れてあげるというのが過去の制度だったのですね。
ところが最近、状況が変わってきておりまして、
お金持ちの家庭でも奥さんが働きたいということになってきて、
子供を幼稚園に預けるとしたら、
お昼にお迎えに行かないといけません。
そうすると奥さんは働くことができません。
そこで、奥さんが働くなら保育園に連れて行かなければ
いけないということになるのですが、
奥さんがパートタイムだと認可保育園の場合、
受け入れてもらえない状況になっています。


規制改革会議は保護者がパートタイム労働でも
認可保育園に入れてあげるように、と
言ったのですがまだ進んでおりません。
今はとりあえず調査してみるという状況になっています。


それに対して、ちょっと変わりつつあるのが
利用者と保育園の契約の問題です。
これまでは、保育園に子供を預ける時、
市町村がこの保育園にこの児童を入れる
というようなことを決めていました。
私のかみさんなんかも、旦那は全く役に立たず、
育児には保育園の助けが必要なので、
そういった内容の作文を行政に提出して、
市町村から指定された保育園に子供を
預けなければならなかったのです。


それに対して、今後は市町村が受け入れ先を
決めるのではなく、利用者が保育園と直接契約して
保育園を選べるようにしたらどうかというような話が、
規制改革会議から出てきました。
厚生労働省は、最初嫌がっていましたが、
「導入する方向で検討する」と言い始めました。
そうすると自分の好きな保育園に通わせることが
出来る時代が来るかもしれません。
ただ、東京の方では待機児童が多く、
そもそも園の数が足りません。
数が足りないのに選べるようになりましたと
言われてもどうしようもありません。
しかも皆が行きたい園に集まりだしたら、
更に入りにくくなるのではないかと思います。
そうすると、やはり市町村に受け入れ先の園を
決めてもらわないといけません。この問題は、
そもそもどうしようもないのでは、という声もあり、
まだ時間が掛かりそうな状況ですね。


■農林水産省の改革
農水省も古い役所なので、様々な規制改革が必要です。
去年、緑資源機構で林道整備業務の受注を巡って
官製談合事件が起こりましたよね。
独禁法違反で、何人か逮捕されました。
その後、松岡農林水産大臣が、どういう理由かは
分かりませんけれども自殺してしまいました。
そこで何か悪いことやっているようだという追求が起こり、
緑資源機構は去年の年末に廃止が決まり、
今年の4月1日廃止になりました。
現在、一部の事業は森林の農地整備センターに移っています。
日本の行政には様々な改革が必要なのですが、
その内の一つが林業です。日本の林業についてですが、
日本の森林面積は国土面積のどれ位かご存知でしょうか。
飛行機から見てみると、森林は山のようにありますよね。
大体3分の2位は森林です。それほどの国土が森林だとすると、
林業はもっと盛んでもいいのでは、という話なのです。
実は他の先進国を見ると、林業はすごく盛んなんです。
先進国の中で、林業があまり盛んでないのは日本だけです。
日本では林業がビジネスとして成り立つように出来ていないんです。


その他にも、法務省など規制改革の進んでいないものがあります。
今後の日本を考えると、現在の規制の9割方は
不要なので、ばしばし切るべしということと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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