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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国の自主創新政策と独自技術(中国ビジネス/国吉)

中国の自主創新政策と独自技術(中国ビジネス/国吉)

08/06/11

■中国の自主創新政策の背景
2006年から始まった
中国の第11次五カ年計画の主要項目の中に、
「自主創新」という言葉がでてきます。
その後、いろいろな中国の政策や新聞報道の中で、
「自主創新」あるいは「創新」という言葉が
頻繁に出てくるようになりました。
中国と日本では漢字の意味が重なりますが、
日本語でいえば「自主革新」になるかとおもいます。
英語でいうと「イノベーション」です。


つまり、借り物や物真似ではなく、
独創的な考え方で物事を進めようということです。
これが、政策として出てくる背景として、
中国は著しい経済成長を遂げていますが、
それが決して中国の独自の力によるものではなく、
外国の力や外国の技術、ブランドに依るところが
大きいという実態があります。それに対して、
その産業構造を変えて、独自の革新力、
あるいは技術力やブランド力をつけて、
それで世界に対して「強国」になっていこうという
意図があると思われます。


■中国の技術創新の歴史
1990年代後半、
前の国家主席の江沢民時代に、
「科教興国」つまり科学技術と教育とで国を興す、
という政策が非常に強く出された時期があります。
当時の中国の政府の指導者は、
ほとんどが理工系出身のテクノクラートでしたから、
技術教育を重視するという姿勢が出るのも当然なのですね。


一方、中国は、1990年代後半から2000年代にかけて、
「世界の工場」と呼ばれ、GDPも大きく2桁台で急成長しましたが、
ものづくりのコアの技術を外国に依存し、
その結果、自身は世界経済の中で
組み立て技術中心に付加価値の低い部分を担当するなど、
中国独自の技術力が弱いという実態がありました。
2000年前後から中国は独自の技術規格化を
強く意識した政策を出すようになりました。


■中国の独自技術規格化の動き
いくつかの例を挙げます。
まず無線LANですね。この無線LANの技術で、
中国の独自の規格を作ろうと打ち出して、
全ての企業は中国独自規格(”WAPI”と称される)を
使わなければ認可しないとしたことがあります。
これには米国が反対し、結果しませんでした。


そして、携帯電話ですね。
中国は日本の方式とは違う、GSMという方式が主流です。
これが第二世代といわれているもので、
中国は次のステップの第三世代に移行しようとしています。
中国はこの第三世代移行にあたって、
TD-SCDMAという、中国独自の技術規格の
携帯電話方式を推進しようと試みています。
中国独自の知的財産権を持った規格ということで、
ずいぶん長く試験を行っています。

ここ第三世代規格ですが、
2004年以来ずっと、「今年には正式に規格の
ライセンスが許認可になるか」と、
皆やきもきしながら見ていたのですが、
オリンピックが行われる今年、現在に至るまで、
まだ正式になっていません。
商用試験を続けているのですが、
技術的課題があって、最終的にOKが出ないようです。
それでも、オリンピック期間は北京エリアでは
このTD-SCDMA携帯電話を30万台ぐらい使うらしいのですが、
全国的にはなかなか実現が難しく、
もうしばらく時間がかかるようです。


これはある中国企業の人の発言なのですが、
「一流企業は規格を売り、二流企業はブランドを売り、
三流企業は製品を売る」と言っています。
その人は、今の中国はどちらかといえば
製品を売っていて、日本はブランド力で勝負している、と言います。
つまり、ブランド力で売る日本は二流だ、
これからは我々は一流になるためには標準を売るんだ、
という、マイクロソフトやインテルといった企業を意識した、
あるいはそういうところに向かおうとする
中国の意識の表れだと思います。
この辺は、日本の企業も標準化という問題を
重要な戦略の中に入れていかなければいけない
ということを思い起こさせますね。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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