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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 道路特定財源の暫定税率と一般財源化(財務戦略/村藤功)

道路特定財源の暫定税率と一般財源化(財務戦略/村藤功)

08/06/06

■道路特定財源の暫定税率と一般財源化の現状
暫定税率は2兆6千億円位、
道路特定財源の本体は5兆4千億円ですから、
暫定税率を失うと政府は本体の約半分の財源を失うことになります。
今年4月には、めでたく暫定税率が失効してガソリンが25円安くなり、
皆ガソリンスタンドに買いに行ったわけですが、
悲しいことに5月には暫定税率が元に戻って、
ガソリンスタンドは閑散としていました。
今日は、この道路特定財源の暫定税率と
一般財源化についてお話します。


一般財源化については、
福田総理が自分でも何か改革をしなくてはと思われたようで、
暫定税率だけでなく、道路特定財源そのものを
来年2009年度から一般財源化したらどうかということを言い出しました。
自民党の道路族などはひっくり返って驚いたかもしれませんが、
とりあえず福田さんが言っていることに反対せず、
割と静かに福田さんの言うとおりになっていました。
しかし、道路特定財源の暫定税率を10年継続するという
租税特別措置法が、道路特定財源や暫定税率を
2009年度から一般財源化するといった修正なしに通ってしまいました。
福田さんは、法律を修正すると面倒臭いことになるので
そのまま通したのでしょう。与党の協議会で10月中に結論を出し、
秋の臨時国会で法案を提出することになっています。


■暫定税率の歴史
そもそも道路特定財源や暫定税率はいつ始まったのでしょうか。
道路特定財源は1953年から戦後まもなく始まりました。
これは、戦後の高度成長をしようという時期に、
道路整備が必要だとして田中角栄氏によって作られた
道路整備のための財源です。その後20年位経って
道路暫定税率が始まります。おそらくちょっとお金が足りないから、
道路特定財源の半分位のお金を増やそうとしたのでしょう。


最初の暫定税率は、2年の時限措置だったのですが、
毎回更新されていき、気が付くと30年以上、
暫定税率いう名前が残りながら続いています。
国民としては、ガソリンは少しでも安いほうが嬉しいに決まっています。
日経の4月の調査でも国民の42%は暫定税率廃止を求めています。


■暫定税率の国際比較
日本のガソリン税は、リットル当たり、
暫定税率分で25円、道路特定財源35円を加えると60円になります。
日本のリットル当り60円ほど払っているこの税金は
安いのでしょうか、高いのでしょうか。


海外を見ると、アメリカは12円しかとっていません。
ヨーロッパ各国では結構高く、リットル当たり、
イギリスで157円、ドイツで142円、フランスで134円です。
日本よりも高いですね。
ヨーロッパの消費者はかなり怒っているようですが、
ヨーロッパでは温暖化ガス排出削減の為の環境目的だとされています。
ガソリンを使うと、二酸化炭素を撒き散らすことになるので、
出来るだけガソリンを使うなという意味があります。


そして、ヨーロッパではこの税金を特定財源ではなく、
一般財源にしています。特にイギリスやフランスは、
最初は特定財源だったものを一般財源に変更しました。
ドイツでは道路用が2割であとは社会保障や環境対策に使っています。
そういう意味では、世界の流れはどちらかといえ
ば特定財源から一般財源に向かいつつあるといえます。
福田総理が言う一般財源化は、
もともと小泉総理が言っていたものなのですが、
その流れはどちらかというと世の中の流れに合っていると言えそうです。


■道路特定財源の地方への影響
道路特定財源の内容には、ガソリン税、軽油引取税、
自動車取得税、自動車重量税などいろいろあります。
また、国の税金と地方の税金もあります。
しかし、一旦国税として取ったものを、
地方にまわしている部分もあるので、
今回の話は、地方の予算にも影響を与えます。
だから、今回自民党が法律を通さなくてはいけなかったのも、
地方の予算をもう作り終えているので
執行したいという声に追われて通したという側面が強いですね。


■財源を何につかうのか、道路をどのくらい作るのか
一番問題となるのは、福田総理が言っていること、
道路族が言っていたことは、結局今後どうなるのかということです。
道路特定財源は、今後も道路に使われるのか、
それとも一般財源として、社会福祉や環境に使われるのか
という辺りがこれから問題になってくると思います。


今までの道路特定財源は、
道路整備の特別会計にそのまま入っていました。
これが一般財源になると一般会計に入り、
道路を作ることになればそこから道路整備の特別会計に
いくことになります。もし今までと同じように道路を作り続けるなら、
一般会計を経由するだけで、
同じ金額が道路整備の特別会計で使われて、
何も変わらないという話にもなりかねません。
それでは、一般財源化しても意味がありません。
本当は、国土交通省が道路をどの位作るのか、
国民はどの位作らせるのかということを変えなければ、
一般財源化するだけで何か変わるわけではないのです。


1987年に第4次全国総合開発計画というもので、
1万4千キロの道路を作ろうという話がありました。
それを小泉元総理が9千キロくらいでいいのではないか
と言って他を白紙にしました。それを国土交通省が、
1万4千キロ整備の復活を狙って走っているようです。
これからの戦いをウォッチする必要があるでしょうね。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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