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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 道州制(財務戦略/村藤功)

道州制(財務戦略/村藤功)

08/05/16

■道州制をめぐる現状
道州制という言葉がよく聞かれるようになったのは、
前内閣の安倍さんの頃からですね。
安倍さんが、渡辺喜美道州制担当大臣を任命して、
3年で道州制ビジョンを作ると言ったのに
もういなくなってしまったので、
道州制はどうなったのかなと少し心配になったのですが、
福田総理が元岩手県知事の増田さんに安倍改造内閣後も
継続して総務大臣を任命しました。
彼は道州制導入に前向きな人で、
道州制の話がなくなったわけではないようです。
福田総理も今年1月の所信表明演説で、
道州制導入を考えていると述べており、
道州制が進むかもしれないですね。


■道州制とは何か
そもそもなぜ道州制が必要なのでしょうか。
今は都道府県や市町村を自治体としていますが、
これまでの規模ではもうやっていけないのではないか、
という問題があります。より住民のためになる
行政サービスを提供するためのくくり方を考えるとすれば、
市町村も都道府県も今よりも大きくしなければ
いけないのではないか、ということです。
まず市町村は小さ過ぎます。
市町村は、政令指定都市や中核市という、
100万とか30万位、住民がいるところであれば
何とかやっていけるのですが、人口が5万人以下、
もしくは1万人や2万人位しかいない市町村では、
水道事業も下水道事業も破綻しているところが多いのです。
去年導入された早期健全化法でも、
レッドカード、イエローカードが出そうなのに
再建の見込みがないような市町村が増えてきています。


小さすぎる市町村を、人口を30万人位の
基礎自治体にしようという話と、
都道府県を広域化して道州を作ろうという話が
並列で進んでいるわけです。
人口30万人くらいといえば、規模はちょうど久留米市位です。
道州制は、日本全国を10位に分けて
それを道州と呼ぼうという話です。そうすると、
日本の人口が1億人で基礎自治体あたり30万人だとすると
、300ほどの基礎自治体が出来て10位の道州になり、
1道州当たり30位の基礎自治体を持つ形に
将来的に変えていこうという話になります。


現状の中央集権体制では、
中央の官僚が全てを仕切る東京一極集中となっています。
道州制が導入されれば、中央官庁の権限の一部を
各道州に移すことができるという議論になっています。
例えば、中央官庁は外交や安全保障などを行い、
公共事業は道州のような広域自治体、
社会保障は住民に一番近い基礎自治体が
行えばいいのではないか、ということですね。
国土交通省や厚生労働省のような中央官僚は、
今まで持っていた権限の多くを失うことになりますので、
必死に抵抗しています。


■道州制に対する九州の動き
九州は道州制に向けて比較的積極的な動きをしています。
九州としては、九州くらいでひとまとまりになれば、
今までに比べてもっと発展するのではないかと言われています。
九州経済調査会によれば、何もしなければ1%程度の成長率が、
道州制を導入すれば2%を超えるそうです。
九州経済連合会(九経連)では、元九電の鎌田会長が
トップを務めていますが、積極的に道州制の九州モデルを検討しています。


■道州制の問題点
そもそもまだ存在しないものの話なので
道州制の問題点は山のようにあり、皆勝手なことを言っています。
道州制のビジョンを作ってきた組織はふたつあります。


一つは、自民党の道州制調査会です。
道州制調査会は、去年6月に安倍総理が辞任する前に、
今後8-10年を目途に都道府県制を廃止して、
道州制に移行すべしという中間報告をまとめています。
一方、政府はPHP総研の江口社長を座長とする
「道州制ビジョン懇談会(ビジョン懇)」
に道州制の検討をさせてきました。
ビジョン懇は、2008年3月に増田総務大臣に
今後10年をかけて道州制に完全移行すべきという報告書を出しています。


道州制の最大の問題点は、
どういう地域で道州制をくくるのかということです。
例えば九州でくくろうという話もあれば、
九州に中国や四国をつけたらどうか、
もしくは、小さくして北部九州と南部九州で
分けてはどうだろうかなどですね。
一方で、熊本や鹿児島はやはり自分達が
中心になれたらいいと言っていますので、
権限を道州や基礎自治体に持っていくとしても、
一体どこに移すのだろうか、という問題がありますね。


さまざまな問題がある中で、
これからは誰かがまとめにいかないといけません。
その意味では、福田さんのような調整型の総理大臣で
ほんとにまとまるのだろうかと思いますね。
これまで日本で行われてきた都道府県制や
市町村制から道州・基礎自治体制へ
変わることで生じる良いことも結構あります。
現在の自治体の規模はあっていないことが見えてきたので、
道州制がどう進んでいくのか、気になるところですね。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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