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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 九州新経済活性化プランの策定(その1) (国際経営・国際ロジスティクス/星野裕志)

九州新経済活性化プランの策定(その1) (国際経営・国際ロジスティクス/星野裕志)

08/05/19

■九州新経済活性化プランと九州域内の総生産額
九州経済産業局が1年近くかけて
まとめた九州新経済活性化プランが、
5月2日に公表されました。
九州は、しばしば日本の10%経済と
いわれています。
しかし実際には、実質的な九州域内の
総生産額は、2005年の時点で
国内全体の8.7%に留まっています。
公表されたプランでは、
2020年までに総生産額を10%へ
引き上げるため必要な方策が、
具体的なアクション・プランと共に
提示されています。
私もこの報告書の策定に関与しましたので、
プランの内容を2回にわたって
ご紹介したいと思います。


九州は、自動車アイランド、あるいは
半導体アイランドといわれており、
自動車産業が経済成長を牽引しています。
自動車の生産台数は、
2006年に100万台を突破して以来、
2008年度中には早くも150万台の達成を
期待されています。
その一方で、
生産台数と域内での部品の調達率の
数だけを追求していくのであれば、
いずれBRICs(ブリックス)で本格的な
自動車の生産が始まったときに、
九州の成長を牽引する
産業であり続けることができるかどうかは
定かでありません。
現在の自動車生産を続けるだけでなく、
ガソリン・エンジン中心の
自動車生産から派生した様々な技術の
トランスファーへの質的転換も必要ですし、
もちろん移行していくのでしょう。
しかし、こうした自動車や半導体に
頼るだけでは、国内総生産額の10%を
達成するには不十分です。


■地域の潜在的な産業の掘り起こし
12年先の2020年を想定して、
総生産額の10%を達成するためには、
今後、年率2.6%の経済成長を
遂げていかなければなりません。
つまり、日本全国の平均1.6%を
1ポイント上回る必要があります。
そのために、
現在の自動車や半導体産業だけでなく、
地域の潜在的な産業の掘り起こしが
重要だといえるでしょう。


今回の新経済活性化プランの
策定にあたり、福岡だけでなく、
鹿児島、熊本、大分、長崎など、
各地域で特色をもった
企業の経営者の方々から
ご意見をお聞きしました。
それらのご意見の中で、
地域の潜在的な産業の
筆頭と考えられていたのは農業です。
九州の農業産出額は、
2006年度で約1.6兆円であり、
全国比の18.8%と高いシェアを
持っています。
しかし、食料品の出荷額となると、
11%にすぎません。
今後、九州で産出した農作物に
付加価値をつけることで、
食料品製造業の振興に
つながる可能性があります。


また、医療福祉サービスの
産業規模は6.8兆円であり、
全国比の12.8%のシェアを占めています。
九州各県のうち、
福岡県を除く全ての県は、
高齢化率とそのスピードにおいて
全国平均を上回っています。
つまり、高齢化の進行により、
先取りした高齢化対応の様々な経験や
ノウハウが、医療福祉産業と結びつき、
今後の発展につながることが期待できます。
実際に、全国の医療機器メーカーのうち、
13.4%は九州に基盤を置いています。
したがって、高齢者対応や医療全般の
イノベーションが、九州をフィールドとして
発信されることも期待できます。


■九州各地の産業の課題
九州各地の産業には、
既存の技術の活用や転用、
海外市場の開拓など、
様々な可能性が期待できるものの、
一方でインフラストラクチャーの整備や
人材の育成、企業間や産官学の連携
といった課題を抱えていることがわかりました。


今回の報告書では、
産業の活性化と地域の活性化の
それぞれの方向性に向けて、
産業別に検討すべき具体的な対応策と
産業横断的な環境整備の項目が
提言として盛り込まれています。
次回は、この提言の内容について
具体的にお話ししたいと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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