QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ダイバーシティ・マネジメント (国際経営・国際ロジスティクス/星野)

ダイバーシティ・マネジメント (国際経営・国際ロジスティクス/星野)

08/01/29

■ダイバーシティ・マネジメントとは
今回は、ダイバーシティ・マネジメント、
多様性を重視した経営についてお話しします。
まだあまり馴染みのない言葉ですから、
聞き慣れない方も多いかもしれません。
ダイバーシティ・マネジメントとは、
人々の間にある差異=違いを意識して、
それを尊重しながら、企業がその多様性を
競争優位性につなげるという考え方です。
もともと様々な民族や宗教などを
社会に内包するアメリカで、
1960年代の公民権運動を経て、
1980年代からアメリカの企業を中心に
広がってきたといわれています。


■日本企業におけるダイバーシティ・マネジメント
日本では、
1986年に雇用機会均等法が施行され、
男性と女性に対して性別の分け隔てなく、
同等な雇用および昇進の機会を提供する
ということが行われてきました。
また最近では、企業において
身障者の雇用や中途入社や外国人の採用も、
多く行われるようになってきました。
こうした動きを、
ダイバーシティ・マネジメントの一部と
考えることもできます。
しかし、日本企業の多くは、
社員の間にある多様性を認識しながら、
さらにそれを強みにして
経営を行うまでには至っていません。


その理由の一つは、
元来、日本人と日本企業は、以心伝心で
意思疎通ができる同質的な文化を
共有してきたことにあると思います。
全てを明文化したり、細部を説明しなくても、
全体の脈絡の中で理解しあえる
「高コンテクスト」の社会において、
非常に居心地のよさを感じてきたといえるでしょう。
また、従来の日本社会の中では、
民族・人種・国籍・宗教の違い、
ジェンダーや世代の違いはもちろんのこと、
多様な価値観といった考え方を、
企業の中でそれほど認識をする
必要がなかったと考えられます。


さらに、海外の市場に参入した
日本の企業であっても、
国際経営の形態はあくまでも
日本人と日本の本社を中心としています。
もちろん、現地のオペレーションのレベルで、
多くの現地人社員を雇用することはあるでしょうが、
マネジメントおよび戦略に
必ずしも多様性は反映されていません。
その結果、
グローバルに活動する企業であっても、
管理職に占める外国人や女性の比率は、
非常に低いという現状があります。


■今後さらに必要性が増すダイバーシティ・マネジメント
しかし、日本企業を取り巻く環境は、
明らかに変化しています。
まず、グローバルなビジネスの展開のなかで、
否が応でも現地市場や海外の顧客を含む
多様性を理解せざるを得ない状況があります。
次に、雇用の流動性や、
子供のいる女性の戦力化の要請により、
多様性に目を向けざるを得なくなってきたといえます。
さらに、顧客の中に、人種・国籍・性別などの
多様性が存在するのであれば、
当然ながらそれに対応する必要があります。
また、社員自身の多様性を生かすことで、
顧客対応能力も高めることが可能になるでしょう。


最近では、
プロクター&ギャンブル(P&G)や
GMといったアメリカ企業が、
日本にダイバーシティ・マネジメントの
理念やコンセプトを持ち込んできています。
そのため、CSRの観点からも、日本企業には
対応が求められるようになってきました。
例えば、日産自動車は、2004年に
女性社員を活用することを目的として、
「ダイバーシティ・デベロップメント・オフィス」
を設置したようですし、
ベネッセや資生堂などの女性を戦力と見る企業でも、
ダイバーシティ・マネジメントの
本格的な取り組みが行われています。
このように、少しずつではありますが、
ダイバーシティ・マネジメントは
日本の企業の中にも浸透しつつあるようです。


これまでの日本企業の強みは、
同質性を基盤としながら、
いかに効率よく商品を開発して
市場に提供していくかという
効率性の重視にあったといえます。
これからは、さらに多様性を活かして、
付加価値性を追求していくという
意識の改革が必要になると考えられます。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ