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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 政府の調達と談合(財務戦略/村藤)

政府の調達と談合(財務戦略/村藤)

08/01/11

今回は、政府の調達についてお話します。
政府が物を購入したりする際に、
どんなふうにしているのかというお話です。


■政府による調達の手段
政府が物を調達する場合には、
随意契約、指名競争入札、一般競争入札の
3つの方法があります。
随意契約というのは政府が取引相手を任意に決めて、
その人から調達するというものです。
また、指名競争入札というのは、
政府が指名した何人かの中から競争してもらうやり方、
それから一般競争入札というのは、
誰でもいいからみんなで競争してもらうというやり方です。
談合の考え方からいうと、
随意契約が一番やりやすくて、
指名競争入札が次にやりやすくて、
一般競争入札は談合するのが非常に難しいですから、
どちらかというと談合をなくすために
随意契約や指名競争入札をやめて
一般競争入札の方に持って行こう
という流れがあるわけです。


■怪しい随意契約と怪しくない随意契約
競争入札でさえ談合が次から次へと
出てきたわけですから、
随意契約というともっと怪しい感じがします。
しかしながら、本当は随意契約にも
怪しいものと怪しくないものがあるのです。
民間企業なんかはほとんどが随意契約で
競争入札をやることなどありません。
また、そもそも問題なのは、
政府が税金を使って色々なことをやるときに、
賄賂をもらいながら自分の好きな人に、
高すぎるお金を払うということなのです。
実のところ随意契約のほとんどは、
官が民をたたきながら普通よりも
安値でやらせているという状況に
なっていると思います。


このように全ての随意契約が悪いかどうかは別として、
随意契約でも怪しいもののなかには、
無茶苦茶にひどいものもあるようです。
守屋さんがやっていたのが発覚した防衛装備品は、
全体で2兆円くらいの話で、
そのうち随意契約比率が7割でした。
このように、何百億何千億円とかいうすごく大きい契約で、
賄賂をもらいながら高値でやらせていた
ということが問題だという話です。


■「官製談合防止法」
一般競争入札という方法にもいろんな問題があるので
「官製談合防止法」という法律が出来ました。
これが最初に出来たのは
2003年1月で結構最近のことです。
工事を発注する側の国や自治体の職員が実は仕切っていて、
官が談合を製造しているということで、
この法律が出来たのですが、
最初は関与している職員に対する罰則がありませんでした。
その後、福島県や和歌山県や宮城県など、
いろんな所で官製談合の摘発が続いて、
生じた損害を賠償するだけではなくて、
官製談合を作った公務員に対する罰則も
必要なのではないかという話になったのです。
そこで、5年以下の懲役だとか
250万円以下の罰金というものを導入しようという
「改正官製談合防止法」が成立して、
2007年の4月から施行されたという状況です。


■独禁法の課徴金減免制度
一方、独禁法のなかで
課徴金減免制度という制度ができたことについては、
先日少しお話ししたと思います。
これは、先に手を挙げて自首してくれば許してやるとか、
課徴金を少し安くしてやるとかという制度ですが、
これが出てきたために、
水門談合事件というものが起こりました。
まず、真っ先に世話役の三菱重工が自首してきて
課徴金を免除してもらい、
それから石川島播磨や日立造船が続いて自首してきて、
課徴金を少し安くしてもらったという話です。
この事件で出てきたように、
結構有名な会社が談合をやってきたわけですが、
国土交通省が全体のお金の
8割くらいを使っていますから、
国土交通省に官製談合をやらせないということが
最も重要なところなのです。


また、鋼鉄製橋梁工事談合事件という事件もありました。
これは、道路公団の理事が、横河ブリッジという会社に
顧問として天下りしていたのですが、
高速道路の橋梁工事で、
誰がどういうふうに工事を請けるか
業者の割り振り案を作って、
道路公団に対して受注調整を依頼して、
それを共謀してやったということで
談合に問われた事件です。
これが2年半くらい前でした。
それをきっかけに、国が発注する工事について、
指名競争入札か
ら一般競争入札に移行してきているのです。


■防衛庁の装備品問題
最近ではなんといっても防衛省の事件が、
大変な騒ぎになりました。
防衛装備品の調達というのは、
全体で年間2兆円くらいなのですが、
そのうち随意契約が7割くらいあるということですから、
これを不透明にやられてしまうと
国民としては大変な問題になります。
防衛に関することは秘密保持の要請があるため、
多少は不透明になってしまっても
しょうがないのではないかと思いがちです。
しかしながら、テレビなどの情報によりますと、
信じられないことに、守屋さんが8年間で
山田洋行から300回以上のゴルフ接待をうけたとか、
1,500万円以上の費用負担をしてもらったとか、
なんだかよくわからない話がどんどん出てきました。
おまけに、守屋さんの奥さんや、
娘をはじめとする親族名義の口座にも
お金が振り込まれていたとか、
就任祝いだとか、還暦祝いだとか、
現金が飛び交ったということまでありました。
やはりトップがそういうことをやると、
自衛隊のほとんどの人たちは
まじめにやっているはずですから、
これはちょっと許せないという話になります。


防衛省にとって、これはかなりの大打撃になったことでしょう。
特に、今回の問題に関しては、
随意契約がほとんどだったという話です。
十数年も長いことゴルフ接待を延々と続けて、
お友達になって、最初は、奥さんも、
お友達だから別にいいでしょう
というようなことを言ったりしていました。
そういう意味ではお友達ですから、何も言わなくても
その1社だけになるような形にするわけです。
日本ミライズなんかは創業したばかりで、
高額の一般競争入札の参加資格さえ無かったわけですが、
守屋容疑者が怒鳴りつける形で
日本ミライズと随意契約をせよ、
というようなことを言っていたらしいのです。
日本ミライズは設立したばかりで問題が発覚し、
もうなくなってしまったようです。
このあたりは、日本の防衛に関わる問題ですから、
仕組みからかなり変えていかないといけません。
特にヘリコプターや生物偵察車や
自衛隊の次期輸送機のエンジンなどは、
日本のサバイバルに関わる大変重要なものですから、
公平にやってもらわないと困ったことになるのです。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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