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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 契約書と契約のスタイル(国際企業法務/岡田)

契約書と契約のスタイル(国際企業法務/岡田)

08/01/07

■様々な種類の契約
契約書といってもいろんな種類があります。
例えばコンピューターのソフトを
購入して箱を開けると、
箱を開けた瞬間に契約が成立します。
あるいは旅館に泊まられて
自分の名前を署名した瞬間に契約が成立します。
また、ビジネスの世界ですが、契約交渉など
他社との会議を行った場合には、
議事録を作成します。
その際に、その会議の責任者のイニシャルを
その議事録に書き込むのですが、
これも、ある意味、契約書と言えます。
また、覚書、
メモランダムあるいは手紙なども、
契約書と類似した効力を持つ場合もあります。


■契約の成立要件
契約行為が成立するためには、
対価というものが
存在することが必要となります。、
お互いが何らかの義務負うということが必要です。
例えばAさんとBさんの間で、
Aさんがある指定した場所に行くという
取り決めを行った場合に、
Aさんが指定された場所に行くという義務しかない場合は、
これは、単なる「約束」であり、
契約ということにはなりません。しかし、
その時に、BさんはそのAさんの義務の履行に対して
何がしかのお金を支払わなければならないと条件があると、
これが対価となり、AさんとBさんの間に
契約が存在するということになります。
対価のことを英語ではConsiderationと言うのですが、
その対価の交換が行われないと、
契約は成立しません。
ほかの例でいきますと、売買契約があります。
売買の対象となる物とお金が対価として
交換されるので契約関係ありということになります。
契約書を作成する場合には、
各当事者の対価がなんであるかを
明確にしながら作っていくということが、
とても重要です。
これを聞いておられる方も、
契約を結ばれるときには
そ自分の対価、相手の対価が何であるのかを、
いつも頭の中においておかないといけません。


■1つの取引に対する契約書は1つ
1つの取引を行うときに、
その取引に関する契約書というのは、1つしか存在しません。
これの点について、間違っている人たちが
かなり多い気がします。
1つの取引なのに、たくさん契約書を
交わされているケースが多いです。
対価をお互い差し出しての契約になりますけど、
最初に申し上げましたようにいろんな種類があります。
例えばビジネスの世界で、
欧米のビジネスの世界では必ず結ぶ契約があります。
それは何かといいますと、秘密保持契約です。
これも確か以前お話ししたと思うのですが、
秘密保持契約を結んで、その取引の中で話す、
会社の情報なり、あるいは技術の情報なりについては、
お互いそれは守秘義務を負いましょう
という契約書を結びます。
その後に覚書などを結ぶことになります。


「契約書は1つしか存在しない」というのは、
たとえば、覚書を結んだ時点で、
その前に締結していた秘密保持契約は
覚書の中に吸収されます。
秘密保持契約という契約書自体は
そこで一旦、終了して、覚書という両者が
サインした契約書に取って代わられると
いうことになります。
通常は、覚書を締結した後に、
更に契約交渉会議を行いながら、
メインの契約書(本契約)を
締結するということになります。
この本契約を結んだ段階で、覚書も消滅します。
覚書の大体の内容は、
本契約の中に吸収されることになるわけです。
そういう意味で、1つの取引には
常に1つの契約書しか存在しないということになります。


企業の方々はだんだんと、
こういうやり方に慣れてこられています。
最近は、NDA、秘密保持契約という言葉も
よくビジネスの世界で聞くようになりましたし、
あるいはLetter of Agreement
(手紙を出してこれに同意なら
サインを返してくださいという、
欧米ではよく使われる方法)などもよく結ばれますし、
それからMOU(Memorandum of Understanding)、
LOI(Letter of Intent)などのいわゆる覚書も、
活用されている企業も増えています。


日本の大企業の場合は、
法務部、あるいは法務室が充実していますので、
契約書自体はもう、
外部の弁護士に頼らなくても
自前で作成されるところがほとんどです。
そのような法務部が社内にない企業においては、
弁護士、すなわち、法律の専門家が
本当に必要な状況になってきています。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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