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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ブランド論隆盛の背景(マーケティング/出頭)

ブランド論隆盛の背景(マーケティング/出頭)

07/07/24

ブランド論というものが
語られ始めたのは、
ここ5-6年のことで、
ちょうど日本が
不況に喘いでいて、
デフレスパイラルであるとか、
失われた10年と言われている
最中のことです。


■強いブランド
不景気なのに、
何故高価なブランドの話が
出てきたのかというと、
以下のような理由があります。
まず、ブランドというのは、
前回話したように、
高級品であり、高い値段であり、
プライスにプレミアムがついています。
プライスにプレミアムが
ついているというのは、
その商品は高マージンです。
すると、長い間不況に苦しんでいると、
デフレスパイラルと言うくらいですから、
利益が上がりません。
企業にとって、
実質的には品物の価格が下がってしまいます。
そういう不況の中で、
そのようなデフレ傾向にも負けないで、
価格が高値で安定している、
「強いブランド」があります。
不況に喘ぎ、特に低利益である状況で、
企業家にとって、ブランドというのは、
強い企業の最大のアッセット、
資産になっているようだと考えられ、
ブランドと論が語られ始めました。
特にその契機となったのは、
2002年だったと思うのですが、
時の経団連の奥田さんが、
年頭の教書で
ブランド経営ということを言いました。


■CIブームとの比較
ブランドに非常に近似したものとして、
CIブームというのが日本にありました。
CIというのは、
コーポレート・アイデンティティの略称で、
社名変更が、頻繁に行われました。
なぜこのような社名変更が
行われたのかというと、様々な企業が、
業態を変えていったため、
昔の企業名が合致しなくなったからと
いうこともあるし、
自分たちの企業の装いを
変えたいということでした。


今広告している企業は、
ほとんどその時期に、ロゴ&マークの
新しい物を制定していると思います。
企業名に横文字を使う企業も増えました。
特に輸出品を扱っている企業や、
海外展開している企業の多くが
横文字にしました。
全世界共通で、自分たちの社名を
使うという意味で、
色も統一したし、横文字にしました。
東芝、トヨタ。日立など、
皆横文字にしていますね。
CIブームというのは、1980年代後半で、
バブルの時期です。
この時期には、日本的経営論が絶賛され、
土地の価格も上がりました。

そういう時代において、日本の経営者は自信を持ち始め、
日本的経営の何が悪いのか、
終身雇用、労使一体で頑張って
世界に雄飛することの何が悪いのか、
と思っていました。
CIというのは
コーポレート・アイデンティティですから、
企業風土・歴史を
強く訴えるものになりがちでした。
コーポレートカルチャーを訴えていたわけです。


ここから小難しい話になるのですが、
その頃のバブル期の、
あるいは日本経営絶賛の時代の
ビジネスモデルというのは、
「良い物を安く」というモデルです。
これは、世界最強のモデルとも言われ、
日本のモデルとしては最強とも言われました。
良い物が安いのだから、
みんな幸せでしょということです。


■「良いものを安く」の何が問題なのか
そして良い物を安くということで、
世界を席巻して何が悪いのか、
何が問題なのかということを
覆す定説はないのですが、
良い物を安くという
日本の得意のビジネスモデルが、
バブルの崩壊と共に
破綻をきたしてしまいました。
その理由というのは、以下のとおりです。
まず、消費の多様化、
消費の個人化です。
少子高齢化によって、
市場のパイが将来縮小する事は明らかです。
良い物を安くというのは一種のシェア主義です。
例えばこの辺の電気屋さんで、
「近隣ではココが一番安いですから、
ココより安かいところがあれば
チラシを持ってきてください」などと
言っているくらいで、
安いというのは一種のシェア主義なのです。
そうすると、シェアをとるまでは、
熾烈な競合との血みどろのバトルになるし、
競合先を排除するし、
時には、出血サービスも
シェアをとる為にするというような、
行き過ぎも起きて来ます。
それが様々なところで、
様々な問題を起こしていきます。
競争の結果、競合社が潰れるということは、
そこで雇用が失われるわけですから、
ある意味ではコミュニティ崩壊の
引き金になってしまうこともあります。
ですから、どうもこの
良い物を安くというモデルは、
今でもよくあるビジネスモデルだけども、
これ一本槍ではやっていくことに
限界が出てきてしまったということが
言えると思います。


そこで、ブランドが
着目されるようになりました。
ブランドというのは、
「よい物を高く」という
コンセプトを持っています。
その背景には、様々な商品が
あっても良いのだと
いうことがあります。
競合先の排除や、
シェア主義ではなくて、
様々な商品があって良いけれど、
自分たちの商品は良い物で、
良い値段を付けますよと
いうようなことで、
日本最強のビジネスモデルだった、
良い物を安くというものの、
対極にあります。
「良い物は高い」という
ブランド論のブランド感、
ブランド経営の隆盛に
なったのではないかと私は思っています。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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