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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 個人情報保護法 その1(国際企業法務/岡田)

個人情報保護法 その1(国際企業法務/岡田)

07/07/11

今、個人情報保護法により、
例えば病院の病室に
名前を出してはいけない、
あるいはクラスの同窓会名簿を
作ってはいけないなど、
そういう色々と非常に過剰な反応が
出てきています。
個人情報という
いわゆる知的財産を
守ろうという意識を
高める意味では
非常によかったと思いますけど、
少し過剰になってきていますので、
そういう意味で
実際に個人情報保護法というのは
どういうものなのかというのを、
良い機会ですので色々
説明させていただきたいと思っています。


■個人情報の漏洩
例えば、今までも
個人情報の漏洩というのは
色々ありました。
過去、地方自治体や、大学や、企業で、
色々なデータファイルなどを漏洩されたり、
あるいはどこか置き去りにしたり、
最近の社保庁みたいに
無くなってしまったりなどです。
それはそれなりに裁判で裁かれて、
民法の不法行為などが主ですが、
きちんと損害賠償も支払うケースも
ありました。


■情報のIT化
最近は、IT化というか、
ネットワーク化社会、
あるいはコンピュータによって、
昔は会社の台帳など
トラックいっぱいに
積まなくてはならなかったような、
会社の大事な情報というものが、
今はチップ一枚に
収められるようになりました。
しかも、それがインターネット経由で
進入していって、
会社のサーバーから盗むことが可能です。
ネットワーク社会になったことによって、
そういう個人情報や会社の情報などの、
いわゆる情報という無形の財産が、
簡単に盗まれる社会になったというのが、
個人情報保護法の一つの背景としてあります。


■個人情報保護に対する外圧
個人情報保護法の背景のもう一つは、
ネットワークにも影響するのですが、
元々この個人情報保護法というのは、
外圧による物なのです。
最初は1980年前後に、
OECDの方から
そういう情報をきちんと守るような
法律を作りなさいという指令が出ました。
最近では1995年に、
EUから、指令ということで、
日本に対して、
そういう法律を作らないと
ダメですよというようなお達しが来ました。
それを受けての
今回の個人情報保護法なのです。


■個人情報の価値に関する意識
日本は、情報などの
無形の財産という物に
対しての価値に関する意識が、
非常に遅れています。
ついでですけが、
例えば、街頭のアンケート調査で
粗品を貰ってアンケートの終わりに
自分の住所氏名を書く欄があると、
かつての日本人の場合は
正直に書いていたと思います。
もしアメリカの場合、
正直に書くと、
次の日には、自分の家は泥棒に遭っています。
日本の皆さんも、
最近ではこういったアンケートに
住所などを書かなくなったというのがまさに、
自分の氏名とか住所の
価値を見出したということです。


自分の電話番号や住所は
自分のものだという意識が、
非常に日本は低かったわけです。
それに限らず、
例えば会社の色々な情報などについても、
その価値をなかなか認識していません。

ネットワークで世界は一つです。
例えば日本に大きい穴が空いていたら、
そこから入ってきて、
ヨーロッパの会社の情報も
取られてしまいます。
ですから、日本もネットワークの穴を
きちんと埋めなくてはならないから、
日本も法整備をしなさいという
外圧がかかったわけです。


■法律作成に関する官僚の事情
それでようやく一昨年、
個人情報保護法が出来ました。
日本の官僚は、自分の保身のために、
法律を作る時、
きつめ、きつめに法律を作ります。
というのも、甘くして法律を施行して、
それが甘いが為に
何か色々な問題が起こったときは、
それを作った官僚が責められます。
でもきつめに作って、
実際にその運用上、
身動きが取れなくなっても、
その作った人というのは
そんなに責められないのです。
だからどうしても
きつめに作ります。
今回の個人情報保護法も同じように、
非常にきついものになっています。
それによって、
逆に色々な弊害が出てきました。
ただ実際に、
先程の個人情報という、
非常に財産価値の高い物を
守りましょうという、
そういう風潮が出来たのは
一つ良いことだと思います。


というのも、今までに
色々な個人情報を使ってDMを出すとか、
あるいはその集めた情報を
データ屋さんに売って、
金儲けに使うというのが
日本では横行していたのです。
そういうことに
歯止めをかけるのには
良いことだと思います。
特に先程も申しましたように、
ネットワーク社会ですので、
電子データというのは簡単に盗めます。
そういうのを防ぐために、
各企業さん、きちんとそういう
管理をやりなさいよという
契機になるには
非常に良い法律だとは思います。
ただ、運用上というか、
内容上非常に厳しすぎるというのはあります。

■情報の価値
今、ラフトップのコンピュータが
車内にあって、
横に100万円の札束があったら
どっちを盗るかと
泥棒さんに聞いたら、
みんなコンピュータを盗っていきます。
車上荒らしの目的が、
今コンピュータになっています。
なぜならば、先程のトラック一台分の
データじゃないですけども、
コンピュータ一台というのは
会社一つに相当します。
だから、コンピュータ一台盗めば、
そこには会社全ての
情報が入っているから、
それを使って、いろんな事ができます。


そういう意味で個人情報など、
情報という物の価値が、
これからは本当にだんだん
認識されていく時代に
なっていくと思います。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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