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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 山笠のビジネススクール的考察(2)(国際企業法務/岡田)

山笠のビジネススクール的考察(2)(国際企業法務/岡田)

07/07/10

前回お話ししたように、
山笠がトントントンと進む時とは
どういう時かというと、
企業でいうと
マネジメントが
本当に上手くいっている時だと
思います。


■山笠のマネジメント
皆さんご存じのように、
山笠は、28人で担ぎます。
山笠は大体1トンありますから、
一人あたり50kg近い重さが
片方の肩に掛かります。
ですから、大体20-30秒くらいで、
かつぐ人がどんどん替わっています。
山笠をかつぐ人達が
山の周りを走りながら、
どんどん替わっていきます。
その交替のマネジメントを
行っているのは
いわゆる台上がりの人たちです。
台上がりというのは、
たいてい赤手拭いの人達が
担当します。
台上がりは一見、
上から単にポンポンポンと
棒をたたいているように見えますが、
あれはどこをかいている人が
ギブアップで、
誰かそこを替わる人が
いないかということを見ながら、
周りの人間をどんどん交替させているのです。
つまり、常に人事マネジメントを
行っているのです。
それが上手くいって、
しかもその後、
山の後押しが
上手くいっているときには、
本当に山笠が気持ちよく進みます。


山笠は、大体一つの棒の前後に
二人ずつついていますから、
山の後部の棒についている人は
単に後ろに下がって
後ろから交替すれば良いのですが、
山の前部の棒についている人たちが
どういうふうに替わっていくかは
非常に難しく技術が必要になります。
替わりたい人は山笠の
進行方向で待っています。
棒の前に行って待っていて、
山笠が来て、
その人は山笠の中に潜り込んで
すぐに方向を替えて、
ポッと立ちます。
それまで山をかいていた人は、
例えば真ん中の棒の所の人は、
横に、人の脚の間を
くぐって外に出ます。
そういう危険なことをやりながら、
怪我人がいないという事も、
また山笠のすごいところです。

交替したい人は
常に交代させろと要求し、
それを台上がりの人は
絶えず監視しながら
交替が行われます。


また、クライマックスの追い山に向けて、
綿密な、かつ、合理的なスケジュールが
定められています。
プランニング・マネジメントです。
ご存じのように
7月9日のお汐井取りから始まって、
15日早朝の追い山まで、
毎日一つ一つメニューと言いますか、
イベントが決まっています。
最初のお汐井取りは、
単に筥崎宮まで走っていくという、
体慣らしです。
次の10日に流れ舁きというもので
ちょっとかいてみようということで、
街中を少し、走ってみます。
11日は、朝山というもので、追山と
同じ時間、すなわち、11日の朝、4時59分
スタートです。 時間のリハーサルです。
12日には、追い山ならしということで、
実際に櫛田神社の境内を走ります。 
櫛田入りの
リハーサルとなります。
(ちなみに13日は、
集団山見せというもので、
福岡のもんにも、
山ばみせちゃろということで
期間中、唯一、那珂川を渡って、
福岡側に入る時です。)

また15日の追い山の前日は流れ舁きで、
もう一回軽く山をかいて、
少し慣らしておこうという意味があります。
その7日間のスケジュールを見ると、
体を徐々に慣らして
クライマックスまで持っていくという、
本当に昔の人の知恵が
きちんとと現れています。


それに沿ってきちんと
自分も毎日参加していれば、
追い山の時にもへこたれずに、
よこばん切らずに
(よこばん切るというのは近道をするということ)、
完走が出来るということです。


■山笠のルール
山笠の期間中、
山笠をかく者には
してはならないという
ルールがいくつかあります。

一つ目が、
キュウリを食べては
いけないということです。
これは、
キュウリを輪切りにした模様が
お櫛田さんの模様と似ているからと
言われているのですが、
たぶん裏には腹を冷やすからだという
意味があるもあるのではないかと思います。
二つ目は、、女性に
触れてはいけないということです。
これは、スポーツ選手も、
大会前にそういうことをすると
闘争心を失うから、
してはいけないと言われるように、
科学的根拠に基づいての
ルールだと思います。
だからよく、山笠に出て怪我したら、
皆から「ルール破ったろ」と言われます。

あと、大きいルールの一つに、
山をかいているときには、
たばこを吸っちゃいけないという
ルールがあります。
しかし、多くの人たちがこれを破っています
神聖な山笠ですから、
是非、きちんと守って欲しいものです。

■山笠の社会的貢献
それから、山笠は、
様々な意味で社会的貢献をしています。
まず一つ、山笠ということ自体、
文化的な事業として、
十分に社会的貢献に
なっていると思います。


もう一つは、
教育としての意味です。
山笠というのは僕の小さい頃、
幼稚園、小学校ずっと出ていて、
その時初めて、
団体生活における
自分の立ち居振る舞いというものを
意識します。
というのは、
山笠の時に町内の詰め所に集められて、
ぜんざいとかお菓子を貰います。
それにつられて皆詰め所に行きます。
そういう場所で悪いことをすると、
近所のおじさん達が
しかってくれるわけです。
また、子供たちには、
太鼓をたたいて集合時間を知らせるとか、
あるいは山笠の時に
招き板を持って前に行って走って、
招くなどの役割ももらえます。
そういう、子供ながらに、
町の中で、社会の中での
教育を自然に受けます。
そういう意味での
社会的貢献も非常に高いと思います。
もちろん文化の存続と伝達、
継承という意味でも非常に
社会的貢献は高いと思います。


■山笠における競争
企業の場合、他社との
競争は、避けれ通れないものです。

山笠においても櫛田入りなどで
タイムを測ります。
あたかもそのタイムを
流れ間で競っているように見えます。
しかしながら、山笠をかいている人間は
他流れとタイムを競っちゃいけないと
言われています。
相手に勝ったとか負けたということは、
一切御法度とされています。
去年の自分たちの流れの成績と
比べなさいと言われています。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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