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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 映画で知る英米の社会 (異文化コミュニケーション/鈴木)

映画で知る英米の社会 (異文化コミュニケーション/鈴木)

07/04/18

外国映画は
異文化を知るのに
非常に分かりやすい題材であると思います。
今回は、映画を紹介しながら、
欧米社会の過去と現在についてお話しします。


■人種差別問題を描いた映画
人種差別問題は、
私たちが目の前に突きつけられる形で
意識することは少ないですが、
今でもアメリカやイギリスで存在しています。
また、今から数十年前は
更に卑劣だったということがいえます。
映画では、人種差別を正面から描いた作品や、
それを背景にした作品など、
様々なものがあります。


いくつかの例を挙げると、
例えば黒人差別に反対していく
運動を描いた「マルコムX」。
あるいは、黒人の男性と白人の女性が
結婚するときに起きる騒動を描いた「招かれざる客」、
レイ・チャールズの伝記映画「Ray」が有名です。


今回はこの「Ray」を
取り上げて解説します。
この映画の主人公、レイ・チャールズは
2004年の6月11日に亡くなった、
ソウルの神様と呼ばれた音楽家です。
この役を演じたジェイミー・フォックスが
アカデミー賞でオスカーを獲得したことは記憶に新しいです。


この映画は
黒人差別問題だけではなく、
ドラッグなども扱う社会派の要素を
多分に含んだ伝記になっており、
当時の差別がどのような物だったかを、
映像の持つ圧倒的な情報量で語りかけてきます。


基本はレイ・チャールズの伝記ですが、
彼自身の視覚障害の問題などもあり、
差別の問題というものを
多分に背景に含んだ作品だと
思って見た方が良いと思います。
例えば、コンサートで動き回っている時に
地元の白人から黒人差別的な発言を
受けるというような場面、
彼自身が一時期ドラッグ中毒になりましたが、
その場面が印象的です。


他にも、バスに乗っている
若い頃のレイの場面で、
黒人はバスの席が隔離されている
というのも見られます。このバスの話は有名で、
マーチン・ルーサー・キングの活動も関係しています。
座ってはいけない座席に座ろうとした黒人が、
いろいろと言葉が浴びせられたという問題があり、
これをきっかけにして黒人差別の問題が
クローズアップされました。


現在でも
このような問題をベースにした
作品が出てくるという事は、
アメリカ社会の中で、この問題が
消えていないという事になるのだと思います。


■アメリカ銃社会を描いた映画
次に、
アメリカの銃社会について描いた映画として、
「ボーリング・フォー・コロンバイン」という
ドキュメンタリー映画を紹介します。
この映画は、「華氏9.11」で有名な
マイケル=ムーアによるドキュメンタリーで、
アメリカの銃社会が鋭くえぐり出されています。


映画内では
マイケル=ムーアが
コロンバイン高校で起きた
銃の乱射事件を実際に追っています。
非常に印象的なのが、
国境を越えた隣国のカナダでは、
「別に何にも心配ないから」という理由で、
鍵をかけていない家が多いということです。
アメリカだけとはいえませんが、
アメリカが特別な形で銃社会になっており、
その背景には様々な団体との関係があるという
社会問題を扱ったドキュメンタリーです。
このコロンバインの高校での事件は
1999年に起きましたが、
その後も同様の事件は続いており、
決して人ごとではありません。


■イギリス炭鉱問題を描いた映画
話題をアメリカからイギリスに移します。
イギリスでは古くから、炭鉱の問題があります。
イギリスの炭鉱を描いた映画には秀作が多く、
「ブラス!」、「フル・モンティ」、
「リトル・ダンサー」などがあります。


特に「ブラス!」は、
私にとって印象的な作品です。
この映画は、炭鉱町でアマチュアの
ブラスバンドが活躍するという内容です。
様々な苦労を乗り越えて大会で演奏した後に、
指揮者が炭鉱問題に関して
政府の対応がなっていないと
激烈なスピーチをするところが非常に印象的です。


イギリスの炭鉱町は
日本と同様に寂れており、
なかなか復活できないという状況です。
廃れていくというストーリーの中で悲劇があり、
問題を映し出しているということになります。
その他に炭鉱を扱った物では、
「フル・モンティ」があります。
町興しをしようと、あるいは
生活の糧を得ようと男性がストリップをするという、
非常に奇抜なストーリーです。
このような過激な作品が、
イギリスの炭鉱問題を
全世界に知らしめたといえるでしょう。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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