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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > サプライ・チェーン・マネジメント (2) (ロジスティクス/星野)

サプライ・チェーン・マネジメント (2) (ロジスティクス/星野)

07/04/10

前回、サプライ・チェーン・マネジメント
というのは、部品や原材料の調達をして、
その材料を使って生産を行い、
それを最終的な顧客まで送り届けるという
全体の流れを効率的に管理するシステム
であるというお話しをしました。
今回はより理解を深めるために、
他の事例を紹介します。


■インディテックス社のサプライ・チェーン・マネジメント
今月の初めに、
世界第二位のアパレルの
メーカーであるインディテックス社を訪問しました。
この企業は日本ではZARAというブランドで知られていて、
福岡にも天神とキャナルシティに店舗があります。


同社は他にもブランドを持っており、
合計8つのブランドで約4000の店舗を
世界中に展開し、ZARAだけでも992店舗になります。
売上高では、アパレル業界でGAPに次ぐ規模であり、
成長率が最も高いメーカーといわれています。
本社はスペインのラ・コルーニャという
イベリア半島の先端、
ヨーロッパの終わるあたりの港町にあります。


この会社の成長の秘密は、
驚異的なサプライ・チェーン・マネジメントが
導入されていたことにありました。
通常、婦人服などの開発から上市まで、
平均して9ヶ月間を要するといわれますが、
この会社では最短で1週間、
平均でも3週間程度で、商品を開発し、
供給するというシステムが構築されています。


開発の現場では、
デザイナーがパソコンで
洋服のデザインをする横で、
型紙が製作され、またその隣りでは
その型紙に基づいてサンプルが作られます。
その出来上がったばかりのサンプルを手に取りながら、
デザイナーと営業担当者とカントリー・マネージャーという
販売する国の担当マネージャーが、
商品化をするべきか否かを判断します。


市場に投入するということが決まれば、
早速に生地や原材料を選定し、調達先を決定し、
自社内あるいは外注の縫製工場に依頼して生産する
という仕組みを瞬時に作り上げます。


同社は世界中の
ファッション・ショーや市場を通じて、
顧客の望んでいる最新のファッション情報を
それぞれの国から収集し、製品開発に取り込んでいます。
このように、スピードを追いつつも、
勘ではなく緻密な情報に基づいて動いている
というのも同社の特徴といえます。


しかも同社では、
世界の店舗に向けたほとんどの商品の配送が、
航空輸送で行われています。
非常に高価な製品ならともかく、
比較的手ごろな価格帯の製品を
空輸するというのは珍しいことです。
ヨーロッパ向けでは発注を受けてから24時間以内に、
北米であれば48時間以内に、
日本を含むアジアであれば72時間以内に
商品が届けられる体制が整えられています。
まさにデザインから調達、生産を経て
出荷にいたるサプライ・チェーンの全てが
効率的に出来上がっているといえます。


■サプライ・チェーンはどうやってデザインされるのか
このような仕組みのモデルは、
どこから着想されたのか。
それはアパレルメーカーではないようです。
もしかしたら前回お話した
デルコンピュータかも知れませんし、
ある研究者によれば、
トヨタに倣ってJust in Timeの仕組みを
取り入れたのではないかという話もあります。


つまり、流行にセンシティブで
製品が陳腐化しやすいアパレルと言う
商品特性を考えたときに、
そのサプライ・チェーンというのは
どのようにあるべきかということからできたモデルであり、
同業者のベンチマークによるものではないといえるでしょう。


■サプライ・チェーン・マネジメントがビジネスの根幹
アパレル業界では、
平均40%程の製品が売れ残り、
それらの多くはバーゲンなどで
処分をすることになります。
バーゲンで販売することは、
当然価格を下げることになるので、
利益率の低下を招きます。
ところが、ZARAでは
この数値が15-20%程度となっており、
これは業界平均の約半分です。
つまり最新の物を取り入れて、
高く売れることができるという
ビジネス・モデルが構築されているといえます。


それに加えて、
ZARAでは売り切れになった製品は、
定番品以外は補充されません。
そうすることにより製品の希少性を高め、
顧客が頻繁に店舗に足を運ぶようにさせて、
購買意欲を高めるという独自のモデルになっています。
そしてこのようなビジネス・モデルは、
先端的なサプライ・チェーン・マネジメント
によって支えられています。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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