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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 「グローバリゼーション3.0」時代の幕開け (アジアビジネス/永池)

「グローバリゼーション3.0」時代の幕開け (アジアビジネス/永池)

06/12/13

今回は、グローバル化する世界で起こりつつある
大きな変化に関しての話題を取り上げます。


この番組を通じて私はこれまで主として、
アジアや中国で起こっている
ビジネス界の動きについての解説を行なってきました。


今回からの3回は、本年の締めくくりとして
ぜひ皆さんにお伝えしたい、ということを取上げます。
それは「グローバリゼーション3.0」という時代に入った今、
これからの私たちの仕事のやり方が
どのように変わってくるのか、
これからどんな能力が必要となるのかということです。


■「グローバリゼーション3.0」とは何か
グローバリゼーション3.0というコンセプトは、
アメリカのトーマス・フリードマンという
高名なジャーリストが、最近の著書
『フラット化する世界(The World Is Flat)』で提唱したものです。
ほぼ同じ問題意識で大前研一氏も
近著『The Next Global Stage(日本語タイトル:新・経済原論)』
という本で指摘し、今、世界中に大きな影響を与えています。


グローバリゼーションというのは、
歴史的に見ると段階的に進んできていることがわかります。
最初の段階が「グローバリゼーション1.0」で、
これはコロンブス以降の
大航海時代から帝国主義の時代であり、
これは「国のグローバル化の時代」でした。


次の段階である「グローバリゼーション2.0」というのは、
1800年位から2000年頃までです。
これは多国籍企業の出現であり、
「企業のグローバル化」という時代でした。


そして2000年以降起こっている現象というのは、
「個人のグローバル化」によって、
個人が世界中の個人を相手に競争を繰り広げる世界です。
そして、このような時代のことを
「グローバリゼーション3.0」と呼んでいます。
それはまさに現在只今のことなのです。


■なぜグローバリゼーション3.0は出現したのか
今、私達が住んでいる世界では、
デジタリゼーションとインターネットによって
ネットワーク化が高度な発達を遂げています。
世界を構成する様々な要素が各国に散らばっており、
それらが相互につながり、依存している関係になっています。


インターネットの普及や、
あるいはコンピュータのハードウェアやソフトウェア等の発達で、
世界中の個人が距離や場所とは殆ど関係なしに、
世界のどこからでも共同作業が出来るようになってきました。
そのようなことから、これからは世界中の個人と個人が競い合い、
ある時は協力する(共同作業をする)機会が増えてきています。
その範囲は、欧米先進国や日本に限られることではなく、
アジア、あるいは南米といった地域の人達も
そのゲームに参加するようになっています。


私はこれまでこの放送で
アジアや中国で起こっている様々な現象を解説してきました。
このような現象は上記のような
世界的なトレンドの変化という視点に立って
はじめて理解出来るものと言えます。


■ある日突然、私たちの仕事が外国に持って行かれる
現在、中国の上海や大連、あるいはインド、
台湾やシンガポールといったところの
人達が行なっている仕事の大部分というのは、
世界中と繋がった仕事の一部を分担しているものです。


これは見方を変えると、
今、私達が日本や福岡でやっている仕事のうち、
いわゆる定型的な仕事や手順が決まっている仕事、
あるいはマニュアル化・デジタル化できる仕事は
ある日突然、インドや中国、
もしくは東南アジアの国々に住む人々に
取って替わられる可能性がある、ということです。
このような仕事は、より安くやれるところ、
もしくはもっと速くやれるところなど、
何がしかのメリットを考慮して、
アジアの方が優れていると判断されれば
どんどんアウトソーシングすることが出来るからです。


こうすることを専門用語で
「BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング」呼んでいます。
一連の仕事のある部分を外国が肩代わり、ということです。
世界の多国籍企業は色々な機能を
世界中の最適地に立地させています。
既に先進国企業では上記のような業務の一部は、
コストのより低い国々の人達に肩代わりさせています。


例えば、中国の大連は、
日本との強い歴史的な結びつきや豊富な日本語人口を活用して、
今や日本企業のバックオフィス(事務室)になりつつあります。
日本企業が今まで国内で行なってきた
業務部・庶務部・人事部や経理部の業務、
例えば海外出張旅費の精算や給与計算、
あるいはコールセンターなどのサポート業務、
ソフトウェア開発といった仕事が日本語で、
あたかも日本にいるような形で代行されています。


他のアジアの国々を見ても、
インドやフィリピンは英語圏であることから
アメリカ企業にサービスする一般業務や
コールセンター、ソフトウェア開発センター、
あるいは建築設計とかグラフィックデザイン
といったサービスを提供しています。


例えばシンガポールでは
多国籍企業がアジア・パシフィックの地域本社を設立し、
そこからアジア全域のマネジメントと情報をカバーする動きが顕著です。


オーストラリアやアイルランドなどでは
欧米企業向けの様々な代行サービスを
広範囲に請け負っており、目覚しく発展しています。
特にアイルランドは従来、貧しい移民輸出国といわれていましたが、
今や情報ネットワークを駆使したハイテク国家に変貌しつつあります。


インドやイスラエルは多数の博士号を持つ人たちの強みを生かした
欧米多国籍企業の研究開発やソフトウェア開発の
アウトソーシングを受け持っています。
このような流れは世界中で加速しながら広がっています。 


以上から私が申し上げたいことは、
これからは誰でもやれるような一般的な事務、
マニュアル化ができデジタル化が可能な定型的な業務は、
日本とか九州の人達の仕事も含めて、
コスト競争力の高い地域や国に
やがてとって替られるということです。
それは私達の仕事にも大きな影響を与えることになるでしょう。
どうすればいいかは次回お話します。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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