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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > トレーサビリティ -食の安全と安心のために-(ロジスティクス/星野)

トレーサビリティ -食の安全と安心のために-(ロジスティクス/星野)

06/11/13

■食品の履歴書としての「トレーサビリティ」
今日は食の安全と安心のための
トレーサビリティの話をしたいと思います。
「トレーサビリティ(traceability)」とは、
生産段階から加工、流通、販売のプロセスを経て、
消費者の元に商品が届くまで、あるいは最終的に破棄されるまでの
追跡の可能性ということを意味します。
農林水産省の解説などでは、
「食品の履歴書」という言い方もされています。


■狂牛病で注目されたトレーサビリティ
最近、アメリカ産の
牛肉の輸入が再開されましたが、
食品に遺伝子組み換えの原料が使われているのかどうか、
あるいは北朝鮮から輸入の禁止で、
これからの北朝鮮産の食品の動向も非常に気になります。


トレーサビリティが
最も注目されたのは、1990年以降に
英国やアメリカ、カナダで発生した牛のBSEの問題かと思います。
狂牛病の疑いのある牛肉が
食肉として市場に出回ることをいかに阻止出来るのか、
あるいは消費者がそれを確認することができるのか
ということを考えて、日本でも2004年の12月に
「牛肉トレーサビリティ法」が施行されました。


牛肉の個体識別番号、
つまり1頭1頭の牛肉に割り当てられた
10桁の番号を使って検索が可能になりました。
例えば小売店で購入した
牛肉やレストランで食べられる牛肉に関して、
品質や生まれ、飼育状況、加工などの
履歴が一目で確認出来ることになります。
それは、自分の食べるものの安全性を
自分が把握出来るようになる、ということです。


■消費者の安全を守る
トレーサビリティの
対象になるのは、牛肉の他にも、
鶏卵、牡蠣や帆立など貝類、海苔や養殖物にもおよび、
これからは野菜などの青果物にも導入が検討されています。
牛一頭の単位であれば分かりやすいのですが、
それではどのように野菜のような小さなものまで管理できるのでしょうか。


それは生産されて出荷される商品を、
一定のまとまり(ロット単位)として、
バーコードや二次元コードと言われる
バーコードよりもより多くの情報を含んだラベルや
ICタグを付けて管理するという考え方です。
消費者はこれらの番号を
インターネット上で検索したり、
電話で問い合わせることもできますし、
最近ではカメラ付き携帯で、
この二次元バーコードを読み込んで
確認することも可能です。


自分の食べるもののコードを
確認して、これが本当に安全なのか、
あるいはどこで作られて、どういうふうに
加工されているのかということを
自分で確認出来るようになるわけです。
最近では、レストランでも入口などに
「今日の使われている食肉はこれです」
というようなことを表示するところが増えてきました。


■生産者と製品ブランドを守る
ここまで食品の安全を
確保するためのトレーサビリティについて
お話してきましたが、もう一つの動きは、
生産者を守り、消費者に信頼できる商品を
供給するという目的があります。


例えば、
比較的に早い時期から
農作物のブランドとして浸透してきたものに、
新潟県それも南魚沼産コシヒカリがあります。
日本で最も人気のあるお米の銘柄ですが、
日本全国に出回っている
このブランドのお米の流通量は、
生産量の10倍以上もあると言われています。
一部が使われていれば、
南魚沼産と表示されている例もあると思いますが、
明らかに偽装表示もありそうです。
同じように全国でも知られている大分県の
佐賀関の「関サバ」や「関アジ」も
実際の水揚げ量以上に流通しているようです。


こうなると地域ブランドとして
生産者が苦労して育て上げられた
農作物や海産物が、偽ブランドが
市場に出回ることによって、まさに
生産者の知的所有権が侵害され
ブランドの価値を下げる結果になるわけです。


今日お話しした
トレーサビリティを明確にすることで、
消費者が安心してブランドの食品を購入できることになります。
自分で食べるものは自分で確認し、
納得して購入するという時代に入ろうと
しているかと思います。そこで今日は、
食と安全と安心のための
トレーサビリティについてお話しました。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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