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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 「金属材料のルネサンス  STSPへの取り組み」 (産学連携/高田)

「金属材料のルネサンス  STSPへの取り組み」 (産学連携/高田)

06/10/26

今日は、九大発のユニークな技術とベンチャービジネスを紹介していきたいと思います。


■ 九大発ベンチャー 『リナシメタリ』

約3年前に企業から九大に移って来られた中村さんという方が、
「リナシメタリ」という会社を設立しました。
「リナシメタリ」とはイタリア語の造語ですが、
英語で言うと「ルネッサンス・オブ・メタル」、
つまり、金属材料のルネッサンスという意味です。


■ 改良余地のある金属材料

人類の長い歴史において、
金属材料は至るところで使用されてきましたが、
改良の余地がまだまだたくさんあるものです。


例えば自動車に使用される金属材料について。
地球温暖化防止の観点から
CO2排出量をより減らしていく必要がありますが、
燃費を良くしようとすると、
車体を軽くしなければなりません。
このためには材料自体も、
より軽くてより強いものを
安価に供給する必要があります。


あるいは携帯電話に使用される金属材料について。
矩体にプラスチックが多用されていますが、
これも地球温暖化の観点からは
決して望ましいことではありません。
その点金属はリサイクル可能であり、
手に取ったときの質感も良いなどのメリットがあります。
しかしながら、プラスチックよりも軽く、
しかも複雑な形を作るということを、
従来よりも安いコストで実現する
ということはなかなか難しく、
そこには改良の余地があります。


■ STSP

そんな中、中村さんが
新たな材料技術:「STSP」を発明しました。
これは、例えばアルミニウムやマグネシウムの棒を、
加熱しながら、雑巾を絞るようにひねって急冷することで、
金属の結晶の粒を小さくするという技術です。
結晶の粒が小さいと材料が粘っこくなり、
強度を上げることができるのです。


この技術を使うことにより、
例えばプレス機を使って部品を成形するときに、
従来よりも複雑な形状に加工することが可能となります。
また、強度が上がるため、
同じ部品でも今までより軽く造ることが出来るのです。


例えば、自動車用の複雑な部品を製造するためには、
3つの部品を別々に造って、後から溶接するといった、
手間もかかれば部品も重たくなるような工程が必要だったとします。
STSPとは、この工程を1回のプレス加工のみに転換させ、
同時に軽量化までも実現してしまうという技術なのです。


■ 金属材料のルネッサンス

身の回りの金属で、
重たくて困るというものは多々あるでしょう。
しかしこの材料を使うことでそれらは、
強く、軽く、さらには形も綺麗なものに
生まれ変わる可能性があるのです。
これが「リナシメタリ」、
つまり「金属材料のルネッサンス」なのです。


現在、九州大学とリナシメタリを中心に、
材料製造メーカーやプレス加工メーカーが組んで、
様々な材料や部品への実用可能性について
開発を進めていますが、
これが幅広い業界から注目されています。


九州大学で生まれた技術によって、
身の周りの金属材料に“一大ルネッサンス”が巻き起こる。
これって、とても夢のある話だとは思いませんか?

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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