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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)の展開 (ロジスティクス/星野)

サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)の展開 (ロジスティクス/星野)

06/10/23

「サプライ・チェーン・マネジメント(Supply Chain Management)」という
言葉を最近新聞等で見ることも多くなってきました。
企業にとっては非常に重要な課題ですが、
実際には余り一般にはなじみのない専門用語かもしれません。
今日はこのサプライ・チェーン・マネジメントの展開についてお話をします。


■顧客の求めるものを求めるときに提供する
せっかく買いたいと思ったのに、
自分のサイズや気に入った色が
お店になかった為に、商品が買えなかったという経験は、
誰でもお持ちだと思います。あるいは
在庫がそのお店になかった為に代わりの商品を買ったり、
別のお店で買ったということもあるかと思います。
これはお店やメーカーにとっては機会の損失になります。


このチャンスを
逃さないためにはどうすればいいのでしょうか。
もちろん顧客が求めると予想されるものを、
常に充分在庫しておけばよいかもしれません。
ただそれでは、在庫のコストがかさみ、
購入されなかったときには大きなロスが生じます。
そこで考えられたのが、
顧客の求めるものを求める時期に提供する為に、
効率的な出荷や生産体制を組んで、
さらに生産の為にタイムリーに原材料を調達するということです。


これら全体を管理するシステムを
サプライ・チェーン・マネジメント、あるいはSCMと呼んでいます。
先述のように、書店にはサプライ・チェーン・マネジメントに
関連する本が溢れています。企業にとっては、
サプライ・チェーン・マネジメントの構築は、
自社の競争力を高める為にとても重視されています。

  
■生産者志向から顧客志向への変換
では、なぜ
サプライ・チェーン・マネジメントが
これ程までに重視されるようになったのでしょうか。
今まではメーカーの発想で
企画した商品を顧客に提供する、いわゆる
生産者主体の「プロダクト・アウト」が行われていましたが、
現在は顧客や市場の求めるものをメーカーが
提供する顧客志向の「マーケット・イン」という
枠組みに変わってきています。
つまり、顧客の声を商品に
反映させることが重視されるようになり、
それと共に同じ商品でも顧客が望むサイズ、
色、スタイルをきめ細かく提供することが、
求められるようになりました。
その結果、
サプライ・チェーン・マネジメントが、
会社にとっては非常に重要な課題となるわけです。


この5年間参加している
明治大学の研究プロジェクトで、
昨年日本の代表的な製造企業に対して、
このサプライ・チェーン・マネジメントの
導入状況に関するアンケートをとりました。
その結果、完成している企業は、
わずか7.5%しかないことがわかりました。
どうしてこんなにギャップが生じるのかは、
このシステムは非常に高度で、簡単には構築できないからです。


アメリカのこの分野で
著名な研究者のバワーソックス教授は、
交通の規制緩和、情報処理技術の発達、
高品質なサービスを求める顧客の声、
そして企業間の提携などの様々な要因によって、
物流分野が大きく進歩したことを
「ロジスティクスのルネッサンス」という言葉で表現しています。
こうした環境が整ってはじめて、
企業の中にサプライ・チェーン・マネジメントの導入が出来るわけです。


具体的には、
社内における調達や生産や出荷に関する
情報を誰でも共有できる体制を作ったり、
全体最適性を重視した組織を作り上げることは、
企業のリエンジニアリングとも言えますが、
企業自体がひとつの方向性を持つことになりますので、
これは簡単なことではありません。
今までは生産は生産、サービスはサービス、
販売は販売の担当者と、縦割りになっていた組織に、
横串を刺すように、横の連絡を密にすることも必要となります。


さらに、調達からはじまって、
最後に顧客まで商品を届けるという
企業のサプライ・チェーンが、ますます
長く複雑になっていることも、導入を難しくさせています。


例えば、商品の原材料は、
コストの安い海外で調達し、生産自体を
中国や海外で行い、出荷先はまさに世界中の市場
というケースは当たり前になっています。
サプライ・チェーンは、
国境を何度も越えながら非常に長く、複雑になっています。
さらに実際は、調達・生産・販売を行うのは、
必ずしも自社だけでなく契約関係にある他社が
行うとすれば、この全体の管理は簡単ではありません。


企業は、顧客の求めるものに
きめ細かく対応しなければいけません。
例えば、競合する企業が顧客の求めるものを
即座に提供出来て、自分の会社では一週間
待たせなければならないとなると、
これは大変な機会のロスとなります。
よほど自分の会社に価格、品質、
ブランドや使いやすさといった優位性がない限り、
競争に負けてしまいます。
このように、
企業にとってのサプライ・チェーン・マネジメントは、
非常に重要な課題であることが、お分かりいただけるかと思います。




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分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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