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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > クルーズ・ビジネスの現状とこれから (国際経営/星野)

クルーズ・ビジネスの現状とこれから (国際経営/星野)

06/10/30

■日本での客船によるクルーズ・ビジネス
「豪華客船による
世界一周クルーズ」という
ニュースで聞く度に、そんな
お金も時間もないと感じられている方は
多いのではないかと思います。
それでも今年は
「飛鳥Ⅱ」のような多くの客船が
九州に寄港しましたし、来月には宮崎で
客船の誘致を目指したセミナーも開催されます。
今日はクルーズ・ビジネスについてお話したいと思います。


日本には
1980年代半ばまで、ほとんど
クルーズという市場自体が存在しなかった
と言ってもいいかもしれません。
わずかに商船三井の子会社が、
研修船や見本市船として所有していた船が
一部にクルージングに使われていた程度でした。
それが今では、日本の海運会社によって、
2万トンを超える客船が5隻就航しています。
「飛鳥Ⅱ」というのはその最大のものですが、
さらには5万トンを超えるような大型の客船が
日本郵船によってカリブ海などで運航されていて、
非常に高い評価を受けています。


■■日本人のクルーズ利用数の推移
ただ日本を中心とする
海外のクルーズの乗客数は、
過去20年間あまり増加していません。
昨年の乗客数は77,900人でしたが、
ピークだった2000年の130,500人に比べると
かなり減少しています。
2000年の乗船の実績が
なぜ例年の倍近くであったかというと、
2000年の3月から翌年の10月まで、
マレーシアの船会社スタークルーズ社が
博多港を中心に、済州島や釜山などとの
間に定期的にクルーズを運航していたことがその理由です。


今年も同じように、
イタリアの海運会社コスタクルーズ社が、
長崎と済州島と上海を結んで7月から10月までの
4ヶ月間にわたって客船を運航しています。
そのため今年の利用客数の実績数は
久しぶりに増加すると思います。
最近は、海外の船会社の運航する船であっても、
日本人の通訳やコーディネーターが乗船していて、
日本語だけでも困らないような様々な工夫がされています。


■レジャーとしてのクルーズ・ビジネス
一般的に日本の会社の
所有する客船については、先々週の
「日本籍船倍増計画」でもご説明したとおり、
運航コストの高さがそのまま乗船料に反映されて割高です。
それが外国の会社が日本の近海に参入する理由の一つです。


一方で外国の客船には、
カボタージュという「内国間輸送の禁止」
という法律があり、国内の港だけに
寄港するスケジュールを組むことが出来ません。
それが博多や長崎を出て、
韓国の済州島などに必ず寄航する理由です。
外国の航空会社が、
福岡・羽田間などの国内線に路線を持っていないのも、
同様にカボタージュという法律によるものです。


カリブ海のような
世界最大のクルーズ・マーケットでは、
2日から2週間を超える様々なスケジュールや
寄港地が組み込まれたようなクルーズ、
1泊に換算すると、1万円代のカジュアルな船から
数万円のプレミアム、あるいはそれ以上の
ラグジュアリーというセグメントまで、
さらに大小様々な客船があります。


客船は、
ちょうどテーマ・パークのように、
限られた空間ながらも
乗客を楽しませるような様々な施設や
アトラクションが用意されています。
最近ではテニスコートやボウリング場だけでなく、
アイス・スケートリンクや登山のフリー・クライミングが
できる船など、想像を超えるような設備もあるようです。


■クルーズ・ビジネスの新たな動き
しかし、クルーズは
レジャーの目的だけでなく、
海外都市との交流目的や、船上セミナーなどでも利用され、
意外な使われ方はインセンティブ目的です。
例えば企業によるお客さまご招待会とか
販売促進の目的や売上げの優秀な
セールス・パーソンを表彰することなどにも利用されます。
客船という非日常性が好まれるのだと思います。


実は客船というのは、
眠っている間に次の寄港地に
連れて行ってくれますので、荷物を運ぶこともなく
様々な場所を訪問して観光することが出来ます。
これはとても楽に旅行を楽しめるということであり、
そのため時間と生活に余裕のある人だけでなく、
これからはシニアの人達の旅行には最適かと思います。
実は食事と宿泊と移動とアトラクションが
全てこの料金に入っていると思えば、
思ったほど高くはないといえます。


今までの
「豪華客船」とか「世界一周」といった表現が、
かえってクルーズの敷居を高くしてきたように思います。
これからはシニアのような新たなニーズを掘り起こして、
九州の観光地を海から訪ねるような
プログラムができて欲しいと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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