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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 安倍政権の財政構造改革の見込み -後編-  (財務/村藤)

安倍政権の財政構造改革の見込み -後編-  (財務/村藤)

06/10/27

新たに誕生した安倍さんの「美しい国作り内閣」について、
前回は主にキーパーソンとなる方々のお話をしましたが、
今回はその続きで、安倍政権の
どの辺が見所かということを中心にお話をしていきたいと思います。


■ 経済成長と財政再建

まず一つ目の見所として、
「『成長』なのか『歳出削減』なのか『消費税アップ』なのか」
ということが挙げられると思います。
この問題は、ポスト小泉争いが表面化してきたあたりから、
財政再建に関する問題として
表立って議論されるようになりましたが、
たとえば谷垣さんは
「このままでは国の財政は持たないから消費税アップしますよ。」
ということを主張しました。
これに対し
「そんなこと言う前にまずは歳出削減に努め、
一方で成長による税収アップを目指すべきだ。」
と主張したのが安倍さんでした。
その際安倍さんは、経済成長の重要性をとりわけ強く訴えました。


自民党総裁選に勝利した安倍さんは
「成長なくして改革(財政再建)なし」
ということで、自民党及び内閣のスタッフを
前回お話ししたような面々でかためたわけです。
中川さん、根本さん、尾身さん、大田さん、
あるいは高市さんといった方々が、成長、つまり
「上げ潮路線」のキーパーソンとして配されたことは、
前回お話しした通りです。


■ 改革の継続・加速の実現可能性

これも前回お話ししたことですが、安倍さんは
「小泉さんの改革を継続してさらに加速する」
ということを述べています。
では、本当にこれを実現できるのか。
このあたりも一つの大きな見所となってくるでしょう。


構造改革ということで、先の首相の小泉さんは、
郵政民営化、政府系金融機関の改革、
財政投融資の縮小などによって、
小さな政府化というのを一生懸命進めてきました。
これまでなかなか手のつけることのできなかった
これらの改革に果敢に取り組んでいったという意味で、
小泉さんは政府の構造改革をはじめたと言えるでしょう。


■ 抵抗勢力と参議院選挙

しかし、小泉さんは郵政を民営化するために、
全国特定郵便局長会の方々を怒らせることになりました。
この人たちは政治的な票集めに強いので、
参議院選挙を来年に控える今、
この人たちを怒らせたくないと安倍総理が考えて
郵政民営化を後退させる可能性がないかということが懸念されます。


もう一つ、参議院選挙にからむものとして、
議員になれそうな力を持った抵抗勢力を
再び取り込むかどうかという問題もあります。
参議院選挙での勝利のために、抵抗勢力ということで
蚊帳の外に追い出した人たちを安易に取り込めば、
抵抗勢力の復権に繋がり、
改革の推進に影を落とすことになりかねません。
構造改革に賛成でない人は自民党に戻さない
という強い立場を安倍総理が堅持できるかどうかが懸念されます。


■ 法案の先送り

政府系金融改革法案は、小泉政権時、もともと
今年の臨時国会でやろうということになっていました。
しかし気が付けば来年の通常国会に回されていたりします。
こういったことからも、
本当に改革を継続出来るのかという懸念が生じます。


■ 経済財政諮問会議

竹中さんの後に経済財政担当大臣となった与謝野さんのもとで、
経済財政諮問会議が以前の自民党体質に戻ってしまったということ、
それが新大臣の大田さんのもとでどうなるのかちょっと見えない
ということを前回お話ししました。
経済財政諮問会議の今後も非常に注目されるところです。


安倍政権の誕生により、
経済財政諮問会議の民間議員も変わりました。
以前はトヨタの奥田さん、ウシオ電機の牛尾さん、
あるいは東大の吉川教授や阪大の本間教授
といった面々が民間から登用されていましたが、
今回,伊藤忠の丹羽さん、経団連会長の御手洗さん、
東大の伊藤隆敏教授,ICUの吉野教授
といった面々が登用されました。
新たな民間議員は小さな政府化や公務員改革などを
推進していきたいという方々ばかりで、
小泉改革を継続しようという布陣に見えます。
問題は、こういった改革をどの程度推進出来るのか
ということであり、この辺りも一つの見所になってくると思います。


■ 官邸対省庁

今回安倍さんは官邸スタッフを一気に増強しました。
首相補佐官として5名の議員を置き、
その下に首相補佐官付を一人ずつ配しました。
また、首相秘書官に5名、
官邸特命室に5名ということで、
その合計は20人にのぼります。
こうして、かつてない程の官邸のリーダーシップで
色々なことを進めていく形が出来上がったわけですが、
そこで注目されるのが官邸対省庁の対決です。


対省庁の形こそ出来たものの、
果たしてこの面々を揃えた官邸が
どれだけ省庁に勝てるのか
というところは大きな見所となってくるでしょう。
そこで心配されるのは、
小泉さんは、誰に何を言われようが
自分の主張を貫き通すタイプであったのに対し、
安倍さんは良くも悪くもいい人だということです。
安倍さんはトップなので、
人の意見に耳を傾けすぎて政策がぶれては
困ったことになりかねません。
安倍さんの健闘を期待したいと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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