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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > グローバルに活動する多国籍企業とは (国際経営/星野)

グローバルに活動する多国籍企業とは (国際経営/星野)

06/09/25

■多国籍企業とは何か
多くの企業が自社のことを国際的な企業であるとか
グローバルな企業などと、様々に形容しています。
今回はグローバルに活動する
「多国籍企業」について考えてみたいと思います。
まず、多国籍企業というのは、
国境を越えて複数の国で事業経営を行う企業のことを言います。
皆さんそれぞれに、コカコーラとかIBM、
ネスレ、マイクロソフト、トヨタ等の企業を思い浮かべるのではないでしょうか。


多国籍企業が生れたのは
19世紀かそれ以前にさかのぼります。
1970年代の初めに、ハーバード大学の多国籍企業研究会では,
アメリカで「売り上げ上位500社以内で、海外6ヶ国以上に
製造子会社を所有する企業」と多国籍企業を定義しました。
一方国連では「資産を2ないしそれ以上の国において
統轄するすべての企業」というように、
多国籍企業についての定義は様々です。


最近では、製造業だけではなく、
サービス分野での多国籍企業も多く見られます。
なぜ企業が海外に進出するのかというと、
国外で商品を製造し販売すること、サービスを提供すること、
あるいは研究開発を行うことに,なんらかの利点があるからといえます。


■世界の売り上げ上位500社
アメリカの経済雑誌のFortune(フォーチュン)誌では、
毎年世界の企業の売り上げ上位500社を発表しています。
7月末に発表された昨年のランキングでは、
アメリカの石油企業であるエクソン・モービルが世界の売り上げトップです。
同じく米国のスーパー・マーケットのウォルマートが2位であり、
3位,4位にロイヤルダッチ・シェル石油、
ブリティッシュ・ペトローリアムと石油会社が続き、
5番目に製造業として初めてGM=ゼネラル・モータースがランクされています。


この上位100社を国別で見ると、
さすがに米国の企業が31社入っています。
あとはドイツ企業14社、フランス11社、英国10社の次に、
日本企業の9社が見られます。例えば売り上げ7位のトヨタ、
24位のNTT、31位にホンダなどであり、その他のアジアの企業で見れば、
中国や韓国の企業はそれぞれ3社ずつが上位100社に含まれています。


■多国籍企業の規模はひとつの国に相当する
ご紹介した世界1位のエクソン・モービルは、
売り上げが3,399億ドル、約40兆円にもなります。
この売り上げを世界銀行の発表した昨年の各国の
GDP(国内総生産)と比較すると、世界の20番目に当るスウェーデン、
あるいは台湾に相当することになります。
いかに多国籍企業の活動が巨大かをおわかりになるかと思います。


さらにこれらの企業の雇用する社員数を見ると、
一昨年では売り上げの世界第1位、昨年2位であった
流通の巨大多国籍企業のウォルマートが最も多く、世界で18万人を雇用しています。
まさに一つの都市の人口に相当するだけの社員を雇用していることになります。


■多国籍企業の強みとその影響力
この多国籍企業の強みは、
グローバルに移転可能な資源であり、マネジメントやイノベーション、
ノウハウなど様々な知識や経験が世界的な視野で活かされて、
まさに地球規模で最適な事業展開を行うことができる点にあります。


ただ企業活動の巨大化によって様々な問題も生じます。
例えば企業城下町として発展した都市が、
その企業への依存度が高すぎる為に、
企業が海外へ生産拠点を移転することによって、
雇用・税収などにおいて様々な空洞化の問題が生じます。
それと同様に、多国籍企業の投資行動や戦略いかんでは、
中小の国の命運が左右されることもありうるわけです。
さらに多国籍企業の現地における雇用、安全基準、
政策関与については、国連機関であるUNCTADなども
常に注視しています。あまりにも大きな影響力を持てばこそですね。


次回は、これら多国籍企業の戦略として
「標準化」と「適応化」を取り上げてみたいと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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