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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 公務員をどう動かすか (村藤/財務)

公務員をどう動かすか (村藤/財務)

06/09/22

これまで、中央省庁が債務超過財政投融資を縮小し、
小さな政府を作らなければならないという話をしてきました。
しかし、その場合に障害になるのが公務員の問題です。
今回は公務員をどう動かすかという話をしていきたいと思います。


■ 「小さな政府」が進まない一因

官から民に事業を移管する場合、
これまでその事業に携わってきた人たちの
生首をきるのは問題です。
かといって民間企業において
公務員のままでいさせるというわけにもいきません。


しかし、公務員の方々に民間に移ってください
と言っても、彼らは嫌がるでしょう。
もともと公務員になりたくて
公務員になったわけですから当然のことです。
このために「小さな政府」が進まないというのが
今の実態なのです。


■ 公務員の労働三権の問題

では、現業を民間に移すためにどうするのか。
公務員の方々にその気になってもらわないと、
ということで取り組まれているのが、
労働三権をなんとかしようという話です。
労働三権とは、団結権、団体交渉権、スト権
3つの権利のことです。


まず団結権、みんなで団結する権利ですが、
これは既にほとんどの公務員に認められており、
あまり問題ではありません。


次に団体交渉権という、団体で人と交渉するという権利。
これは現業職員、つまり、実際に
公営事業を行っている方々には与えられています。
しかし、非現業職員、つまり、
市町村で企画などに携わっている方々には、
団体交渉されても困るということで与えられていません。


3つ目のスト権。これはストライキする権利のことですが、
公務員は現業であろうが非現業であろうが、
ストライキなど起こされると困るということで、
今まで認められてきませんでした。
たとえば市のバスなどがストライキを起こすと
非常に困ったことになります。


ところが、公務員もきちんと労働三権を獲得する
というのが官公労としての長年の悲願
なのです。
官公労とは公務員の労働組合の団体です。
官公労は、自衛官や警察官などの、
国民の安全を守る方々のスト権まで
求めているわけではありませんが、
ほとんどの一般公務員には
スト権を与えて欲しいと主張しています。


■ 公務員削減における配置転換

先日、政府は小さな政府を作るために
5年間で国家公務員を5.7%削減する
という話をしています。
これは人数にして約1万9千人に相当します。


うち1万6千人程度は新卒採用の抑制で対応し、
残りの約3千人についても首を切るのではなく、
配置転換で対応しようという計画になっています。


配置転換になってもその公務員の身分が
失われるわけではありませんが、
省庁毎の採用・人事管理制度が根付いている
公務員の社会では、配置転換は
転職と同様にみなされているようです。
というのも、たこつぼ型と言われる
公務員の組織にとって、
自分の省庁から他の省庁に移されるということは、
首になって他の会社に入るのと
ほとんど同様のイメージで捉えられるからです。


一方、受け入れ側は、
経験のない他省庁の職員を受け入れたら
職場の生産性が落ちると考えているようです。
ですから本音としては、
配置転換より新卒採用を優先したいのです。


こういった状況のもとで他省庁への配置転換、
あるいは、さらにラディカルに民間企業に移ってもらう
というようなことを実行するのであれば、
労働基本権をある程度認めなければならないのではないか
ということで、これを認める方向で考えようと、
委員会が立ち上がったところです。


■ 公務員の高給の問題

公務員の問題としては給料、
とくに地方公務員の給料が高いのではないか
ということも問題になっています。
国家公務員は民間に比べて平均して6%高い程度ですが、
地方公務員は2005年度で21%高いといわれています。


たとえばバスの運転手を考えてみたとき、
民間のバスの運転手よりも、
市のバスの運転手の方が20%も給料が高い
というのはちょっとおかしな話です。
これらが税金によって賄われていることを考えてみても、
ある程度民間に合わせていかなければならないでしょう。


自治体の人件費は06年度予算で約22兆円と、
地方の一般歳出の33%を占めています。
官民格差の解消というのは、
政府の財務再建に不可欠
なものとなりつつあります。


■ 天下り問題

ほかに、天下り規制を強化する話も出ています。
従来ですと、過去に省庁の課長相当職以上の経験者で、
退職後10年未満のOBというのが規制対象で、
その上で理事に占める省庁出身者を
全体の3分の1以下とする枠を設けていました。


しかし、新しい基準では、
国立大学教授や国立病院医師などの
専従者を除く常勤者全てを対象
とする方向で話が進んでいます。


つまり今後は、課長補佐で辞めていた方も
天下り規制の対象となれば、
退職後10年以上経っている方でも
規制対象になってくるということです。
これにより、天下りし、人生安泰だと考えていた
800人くらいの理事たちが、
2年以内に辞めなければならない
という話も出てくるようになります。


これら一連の流れに対し、当然
公務員の反発というものが予想されますから、
改革はなかなか一筋縄には進まないかも知れません。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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