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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日銀のゼロ金利解除の影響(村藤/財務)

日銀のゼロ金利解除の影響(村藤/財務)

06/08/11

前回、ゼロ金利解除のお話を致しましたが、
今回はその続きで、
その影響についてお話ししていきたいと思います。


■ ゼロ金利解除と預金金利、貸出金利の上昇

ゼロ金利解除ということで、
現在金利を上げるという話になっています。
では誰が金利を上げるのかというと、
まずは銀行が預金金利と貸出金利を上げます。


預金金利をどれくらい上げる見込みかというと、
0.001%から0.1%程度といったところです。
計算上金利は100倍になりますが、
依然0.1%という
目に見えないような低水準ですので、
家計としてはほとんど関係ありません。


一方、貸出金利、
つまり融資の方はもう少し多めに上げます。
調達はちょっとしか上げないのに、
貸し出しはたくさん上げるという、
銀行のいつものやり口です。
「長期プライムレート」という
大企業向けの1年以上の貸し出し金利を
2.45%から2.65%に、
あるいは「短期プライムレート」という
大企業向けの短期貸し出し金利を
0.25%上げて1.625%にするという状況になっています。 


■ 住宅ローンはどうなる?

我々家計にとって重要なのは、
住宅ローンがどうなるのかということでしょう。
住宅ローンにも固定金利と変動金利というものがあります。
固定金利の方は金利が据え置かれるわけですが、
変動金利の方はマーケットの状況が変わると
それに伴って金利も変わってきます。


今回、ゼロ金利解除ということで、
無担保コール翌日物金利は
0%から0.25%に上がりました。
(ちなみに1%の100分の1をベーシスポイントといい、
金利を0.25%上げることを25ベーシスポイント上げるといいます。)
これまでは短期プライムレートに1%上乗せた
2.375%という金利のところが多かったようです。
しかし、ゼロ金利解除による
無担保コール翌日物金利の0.25パーセントの上昇によって、
住宅ローンも2.625%に上がりそうだという感じになっています。


■ ゼロ金利解除による金利上昇は家計にとってよい話か?

家計にとって住宅ローンが上がるのであれば、
ゼロ金利解除は家計にとって悪い話なのか?
いいえ、きちんと金利が上がっていけば、
家計にとってよい話です。
なぜよい話なのかということをご説明しましょう。
そのために家計の金融資産・負債の全体像を見てみることにします。


2004年の家計の金融資産は約1400兆と言われていますが、
年金、保険などを除くと、金融収益をもらえる、
つまり利子や配当などがもらえる
元本に相当するのは1000兆円程度です。
2004年、1000兆円の元本に対し、
9兆円の金融収益をもらっていました。
一方、家計の利子支払いの対象となるものは、
住宅ローンを中心とした
借り入れが約330兆円あって、
利子を14兆円程度支払っていました。


1000兆円持っていて330兆しか借りてないのに、
資産からは9兆円もらい、
負債に14兆円支払うということは、
家計の金融収支が5兆円のマイナスという状況だったわけです。


ところが、もし金利が1パーセント上がり、
1000兆円に対する利子収入も
300兆に対する利子支払いも
共に1%上がるとすれば、
利子収入は10兆円増え、
利子支払いは3兆円増えることになり、
差し引き7兆円のプラスとなります。


これまでの金利だと
家計の金融収支は5兆円のマイナスだった。
しかし、金利が1パーセント上昇することによって
7兆円のプラスが生じますので、
家計の金融収支は
2兆円のプラスへと好転するわけです。
今後、金利が1%、2%上がるということになってくると、
1%上がるごとに6、7兆円家計の貯蓄が
増えていくことになるのです。


このようなことから、
金利が上がるということは
家計にとって嬉しい話と考えられるわけです。
ただし、今のところ
預金金利が0.1%という低水準ですので、
残念ながら嬉しいところまでは
まだ来ていないというのが現状です。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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