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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 活力生む地方分権(道州制)を急げ

活力生む地方分権(道州制)を急げ

06/08/09

前回の放送で私は,
「ハンザ同盟」を引き合いに出して
時代の流れは「国と国」の付き合いから
「都市と都市」,あるいは「地域と地域」との
付き合いに変わりつつあるという話をしました。
今日は都市と都市が
主体的に自主的に付き合っていく為には,
地方分権になることが必要だということを
ドイツ,イタリア,フィンランドの3つの事例を挙げてお話したいと思います。


■地方分権はお財布(税金)の仕組み改善から
ドイツに行かれた方はすぐに分かると思いますが,
日本の東京一局集中とは異なり,
どこへ行っても地域間格差がありません。
ドイツの殆どの都市はそれぞれ独自性を持っています。
立派なコンサートホールもあれば市庁舎もあり,
何でもワンセット揃っています。
ドイツというのは典型的な地方分権の国です。
日本もこれからの時代は地方がもっと主導権を取り,
より特徴を打ち出していくべきだろうと思います。


その為には,税制も変えなければいけません。
今の日本は「3割自治体」といって,
国が7割、地方が3割という財源になっていて
自治体は地方交付税を政府からもらいます。
そのため,自治体はいつも政府のコントロール下におかれています。
ところが,ドイツでは,逆のことが起きています。
そこでは税金はまず、州政府が徴収し、
その内の4割を中央政府(連邦政府)に上納する形になっており,
財布を持っているのは州であり地方です。
中央ではありません。
つまり、「4割連邦政府」です。
お財布を地方が持つ。これは地方分権の基盤になります。


■地方分権の進むドイツとイタリア
ドイツの場合、上記のように州は独立しています。
その中で南部にあるバイエルン州(州都:ミュンヘン)を
例に挙げると,産業面ではハイテク面,
特にバイオでトップを走っており,ミュンヘン工科大学を中心にして
ベンチャー企業をどんどん輩出しています。
州政府が主導して,バイエルン州に
即した資源配分や施策を推進しているわけです。
それが今,地方産業の産業集積や活性化に非常に役立っています。

イタリアもご承知のとおり99%が中小企業の国で,
非常に企業家精神に富んでいます。
「イタリアモデル」と呼ばれるような産業(例えばシルク,革製品など)が,
高品質高ブランドとして世界で競争力を誇示しています。
この国は,中国の価格競争と一線を画して独特の強みを保っています。

  
■フィンランド ―人口が500万人で福岡一県と同じ規模―
3つめの例としては,
フィンランド。この国は産業面では政府と企業が連携して,
今,急速に力を付けている国です。
携帯電話で世界トップ企業の
ノキア(NOKIA)などがその代表選手ですが
この国は,ソフトウエア開発,教育,研究開発など
政府と企業の産業連携が非常にうまくいっています。
国の資源配分など、まるで
国全体が一つの企業のように効率的に動いています。


ここであえてフィンランドを例に出したのは,
フィンランドは人口が500万人で九州(1340万人)より遙かに少ない。
福岡県だけだとちょうどフィンランドと同じぐらいの人口です。
そういう意味では福岡県一県だけでも,
やろうと思えば、フィンランド一国と同じようなことが
出来るのではないかと思います。
つまり、日本はフィンランドが24個分ある国と言えます。


中央集権制度という方法は,
ある意味で途上国型のシステムだと思います。
途上国が先進国に短期間に追いつく為に,資源を無駄なく使い,
中央政府の命令一下で一斉に動くのには適したシステムです。
しかし追いついた後は,
それぞれの地方が特徴を生かす地方分権化していくべきです。
私は、日本は1980年代の後半あたりから地方分権に
切り替えるべきであったと思います。
今,道州制や地方分権の議論が行われていますが,
福岡や九州は早く道州制を導入し、
色々な政策が自分で展開できるようにすべきです。
そして、東アジアとの都市連携が出来るように努力して行く事が必要です。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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