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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > クリーン・エネルギー 天然ガスのグローバ輸送 (国際経営/星野)

クリーン・エネルギー 天然ガスのグローバ輸送 (国際経営/星野)

06/07/24

今日は天然ガスの
グローバル輸送を通じた
日本企業のビジネス・チャンスについて
お話をしたいと思います。


■環境にやさしい天然ガス
天然ガスは
よくクリーンなエネルギーと言われます。
なぜクリーンなのかと言うと,
まず燃料に含まれる硫黄酸化物(SOX)が殆どない。
窒素酸化物(NOX,)は石炭の3分の1,
二酸化炭素(CO2)は石炭の半分以下というように,
燃焼時に大気へ排出される
有毒物質の量が非常に少ないことがあげられます。


■天然ガスと石油との違いは何か
資源が世界に点在していることも
天然ガスの優れた点です。
その埋蔵量は,現在確認されているだけで
石油の9割程度に達し,今の消費ペースであれば
60年以上は使用可能と言われています。
そして,石油の埋蔵地は
ほぼ6割が中東地域に集中しているのに対して,
天然ガスはロシア,中東,北海,
アフリカ,東南アジア,北米,南米と幅広く,
まさに世界中にその資源が埋蔵されています。


■天然ガスをめぐる国内外の動き
最近では日本企業も
天然ガスの様々なプロジェクトに取り組んでいます。
商社で言うと,
三菱商事がブルネイでのLNG開発に
成功したストーリーがよく知られています。
最近では,「サハリン1」,「サハリン2」という
言葉をよく聞きますね。これは,
ロシアのサハリンで天然ガスと石油を
採掘する巨大プロジェクトのことですが,
サハリン1には伊藤忠と丸紅,サハリン2には
三菱商事と三井物産が参加しています。

最近ではユーザーである
電力会社やガス会社が自らLNGタンカーを
保有して天然ガスの輸入を始めています。
九州電力では発電量の
2割が天然ガスによるものですし,
西部ガスの供給するほぼ全量が天然ガスに切り替わっています。


■液化された天然ガス(LNG)を運ぶタンカー
天然ガスの輸送は,
パイプラインもしくは専用船で行われています。
天然ガスはマイナス162℃に
冷却すると液体となり,気体の体積の600分の1になります。
つまり,液体の状態にすると
非常に運びやすいことになります。
先ほど,天然ガスをLNG言いましたが,
LNGとは「Liquefied Natural Gas」の頭文字をとったもので,
「液化された天然ガス」という意味があります。
そのため天然ガスを運ぶ船をLNGタンカーと呼ぶわけです。


一例では,福岡の西部ガスが
マレーシアから博多港のガス基地へ
天然ガスを輸入している船舶に,
「アマン ハカタ」という博多に由来した
名前のLNGタンカーがあります。
1回の積載量で福岡地域の
半月分のガスの需要を賄うことが出来るそうです。


■グローバル輸送に関わるビジネス・チャンス
今,お話ししたように
天然ガスの開発や利用には様々な
日本企業が取り組んでいますが,
それ以外の活動もあります。
例えば,三菱重工やユニバーサル造船
(昔の日本鋼管と日立造船の船舶部門が合体した企業)の
ような企業は,LNG船のような高い技術力を求められる,
付加価値の高い船舶の建造を得意にしています。
海運会社で言うと,
例えば,川崎汽船がノルウェーの北海から
ヨーロッパ域内へのLNGの輸送に参加し,
商船三井がアルジェリアからヨーロッパ向け,
日本郵船がカタールから台湾向けというように,
日本の船会社がいろいろな
第三国間のLNG輸送に関わっています。


1973年の石油ショック以来,
エネルギーの調達先の多様化と安定供給は,
まさに日本の国家プロジェクトとして位置づけられてきました。
中東は何かと政情の安定しないところで,
この地域に依存するリスクを軽減するだけでなく,
環境への配慮を考える上でも
LNGの輸入は大きな意味を持っています。
また,LNGというプロジェクトを通して,
多くの日本企業はビジネス・チャンスを得ているとも言えます。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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